科学療法2クール目が終了。
現在自宅にて毒抜き中(これが正しい表現かどうかは不明)。

今回は投薬早々に全身の倦怠感や不快感の症状が現れ、1週間以上も身動きの取れない状態が続いた。

食事もほとんど摂れなくなり、体重は入院前と比べて5kg減。
着替えの際に痩せ細った自分の身体を見て、思わず笑みがこぼれる。

張りのない肌、浮き出た血管、もう本当に笑うしかなかった。

食事が摂れなくなった原因は、副作用というより精神面が大きく影響していた。
もう味とか見た目とかそういう問題ではなく、あのトレーに載った病院食を思い浮かべるだけで条件反射のように吐き気を催すようになってしまったのだ。
今、この文章を書いている途中も思い出してまたぶり返している。

念のため言っておくが、決してこの病院の食事がお粗末だとか対応に不満があるとかそういう話ではないので誤解の無きよう。
好き嫌いは多いらしいが(妻談)、別にオレはグルメって訳じゃないし、あくまでオレのメンタルによるものなので。

2日目に出た海鮮塩焼きそばのへんてこな味付けには閉口してしまったけれど。


(遠回しに伝えるスタイル)


でも治療は今後も続くので、こんな状態では先が思いやられる。

大抵のことは大らかに受け入れられる性格だと自負していたが、食事に関してはデリケートだったというか。


と思っていたら、妻が「病院食はキャンセルできる」という情報を仕入れてきてくれた。

糖尿病等で食事に制限のある患者でなければ、ある程度融通が利くそうだ。


感謝。感激。おかげで不安がひとつ解消された。

妻よ、ありがとう。



さて、長かったグロッキー状態からようやく抜け出したのは昨夜。

久しぶりに自室から出て、真っ先に風呂場へ向かった。

全身がずっと抗がん剤臭くて一刻も早く洗い流したいと思っていたのだ。


薬剤師さんの話だと抗がん剤って汗や尿と一緒に体外へ排出されるらしいのだが、それがすごく臭うんだよね。

尾籠(びろう)な話で恐縮だが、オレはオシッコの臭いで薬の抜け具合を測っている。


待望の入浴には、かなりの時間を要した。

なにしろ洗っても洗っても、体にまとったヌルヌルが取れないのだ。

日本の昔話に、垢で作った人形が成長し活躍する「ちからたろう」というお話があるが、もしかしたらオレにも垢人形が作れるのではないかと思うくらいに石鹸が泡立たない。

全身を3度繰り返して洗い流した後には、爬虫類が脱皮したような気分になっていた。


激しく消耗し、ふらふらで浴室から退散。


ふとあたりを見回すと、廊下にスイカがゴロンと10個。

隣のカゴには、とうもろこしが30本以上。


思わず「どうするんだべ?」と呟くと、傍の父から「好きなだけ食ってくれ!」と威勢のいい声が飛ぶ。


「早く元気にならないとな」

と答えた。


ちなみにスイカはまだ畑に10個くらい転がっているそうだが、今のところそれを回収に行く体力は無し。


息子たちが帰省するお盆を待ち焦がれている。




10個どころじゃないですやん。