早涼の候。
お盆は和歌山の長男夫婦、次男夫婦とバブちゃん。兵庫県の学校に通う長女、大阪で暮らす妹が帰省。
久しぶりの再会に、家族の笑顔が溢れる。
もうすぐ1歳になるバブちゃんだけは、人見知りをしてベソをかいていたけれど。

オレは皆の帰省前ギリギリに何とか体調が持ち直し、食事の支度やバブちゃんのプール設置に奔走。
子どもたちに心配かけまいと奮闘し過ぎたきらいはあるが、「楽しい夏休みだった」と言って帰っていく車を見送りながら、元気に過ごせて本当によかったと思った。

ちなみに銀行員の妻にお盆休みは一切無し。

オレの記憶にあるお盆といえば、母親の里で従兄弟や叔父叔母らと揃ってお墓参りに行き、帰宅すると大人たちはTVで高校野球観戦。子どもたちはおばあちゃんが切ってくれたスイカにかぶりつく。
そんな風景が原体験となっているので、お盆期間中も平日と変わらぬ昨今の味気ない風潮を少し残念に思っている。

お盆くらい銀行も休めばいいのではないか。
保育園も休園すればいいのではないか。
保育時間を延長し、休日や深夜の保育を充実させることは、子どもの最善の利益に逆行しているのではないか。
せめて盆正月や日曜くらい、5歳以下の子を持つ親は仕事が休めるような施策を整える方が、本当の意味での子ども支援なのではないか。

常時人手不足の保育業界にあって、オレの病休は職場の同僚たちに負担を強いているだろう。
闘病中とはいえ、自分だけ子や孫らとゆっくりお盆を過ごしたことに少しだけ後ろめたさを感じた。


墓参りといえば、うちの地所にある五輪塔が先日の地元紙に大きく取り上げられていた。


記事によると、織田信長の命を受けた羽柴秀吉が鳥取城攻めを行った際、鳥取城の籠城に加わり命を落とした侍を弔うため、地元民がここに約200基の五輪塔を建立したとのこと。




だがオレは父親から、この五輪塔は元々山のあちこちに散らばり転がっていたものをオレの曽祖父が地道にひとつずつ回収し、1箇所にまとめて積み直したものだと聞いている。
父親は、父の父。つまりオレの祖父から子どもの頃に聞いたそうだ。

実際、毎年雪解けの後に崩れた五輪塔を積み直しているオレから見ると、この200基にまともな組み合わせはほぼ無く、ほぞ(突起)とほぞ穴が合わない石を無理やり積み上げているものが大半で、最初からこの地で組み上げられたものとは思えないものばかり。

未だ山中のあちこちに五輪塔の一部と思われる石が転がっている状況や、曽祖父という生乾きな時代からの口伝であることも含めて、信憑性は新聞記事よりこちらの方が高いと思う。

しかし文字化され、多くの人の目に触れた文章は公式記録として後世に残る。

たまたま記事を書いた人間を知っているので、彼には情報として我が家の口伝を伝えようと思っているが、歴史はこのようにして上書きされ、事実から離れていくのだと思った次第。

この文書だって、文章化された時点でオレ自身の手によって事実は編集され、味付けされてしまっているはずだからね。



7月の渇水で糖度が上がり、葡萄が豊作。

消費しきれない分は、ニワトリが喜んで食べている。