6月20日に提出した遺伝子検査の結果を聞きに、C病院へ行く。

この病院は建て替えから日が浅く、オレの通う日赤病院とは規模も設備も雲泥の差。
待ち合い室のソファも人間工学に基づいたような立体的な造形で、いつも長時間待たされているビニール張りの長椅子とは比べものにならない座り心地だった。

ただ、日赤病院では空いている時間帯だと横になって順番を待つおじいさんもチラホラいるので、そういう人にはでこぼこした人間工学ソファよりも、フラットな長椅子の方がいいのかも知れないけれど。

ノスタルジックな病院のロケ地をお探しの方があれば、是非ウチの日赤へ。昭和感満載です(決してディスってる訳ではない)。



さて、受付番号と名前を呼ばれ、指定された診察室におそるおそる入室。
今日の結果は今後の治療選択にかなり重要な内容となるため、普段はわりと楽観的なオレも緊張感に包まれる。ポケットに忍ばせた御守りをそっと握りしめながら扉を開けた。

促されるまま席につき、ドクターと共にモニターを凝視。
オレと同世代かやや年上に見えるTドクターは、前回同様、画面をスクロールさせながら、
「後ほど詳しい説明は行いますが、いくつか治療薬の候補が上がっているようですね。じゃ、あとはよろしく」
と言ってがん相談支援センターのF先生に全てを託し、足早に退室していった。

何だかよく分からなかったけれど、良い結果だったと思っていいのだろうか。


事務的なTドクターとは対照的に、F先生(キャイーンの天野風)は懇切丁寧。
サンプル提出から結果が出るまでに2ヶ月もかかった経緯や、治療にかかる費用など事細かに説明して下さる。

まず、提出したサンプルは海外の専門機関に送られたそうだ。
そこで300を超える遺伝子を一つひとつ解析し、未承認薬を含む数多(あまた)の抗がん剤から有効な薬を抽出。8月6日に結果が返ってきた後、提携先のO大学病院とC病院でリモート会議を行い、より詳細な検討を重ねて本日に至るとのこと。

「先程T医師も申しましたが、今回の検査によって効果の期待できるお薬の候補が複数上がって参りました。前の診察時にTから有効な薬とのマッチング率は平均10%程度というお話があったと思いますが、その10%に入られたということです」
と言われ、嬉しい反面、何だか諸手を挙げて喜べないような気持ちになった。


上がってきた抗がん剤は6つ。
そのうち2つは、既に他の部位のがんの承認薬として市販されている薬で、これらは地元の日赤病院で投与が可能。

あとの4つはいずれも治験中だが、そのうち2つは商品名もついた承認目前の薬。
残り2つは未だコードネーム段階の薬で、効果は期待できるもののどのような副作用が現れるかは未知数というもの。

未承認の薬だから保険が適用されず高額なのかと思っていたが、治験に参加し薬品メーカーにデータを提供すれば薬剤費は無料になるそうだ。

一方治験を行う病院に対しては、初診時に40万円、再診時に40万円、計80万円の研究寄付金を納めなくてはならないとのこと。
その時は「へー、そうなんだ」くらいにしか思っていなかったが、帰宅後に調べても治験にかかる自己負担は入院費と交通費のみとしか書かれておらず、若干の疑問が残った。

もしかして裏ルールのようなものがあるのだろうか。
それともオレが世間知らずなだけ?


1時間近くかけて噛み砕くように説明して下さったF先生に深々と頭を下げ、ようやく退室。

最後に今回の結果一式を主治医へ届けるよう依頼され、茶封筒を受け取る。
もう慣れっこになってしまったが、運び屋はやっぱりオレなのね。


外に出ると時刻はもう16時半。

少し遅くなったが、この足で日赤病院へ届けてしまおう。
ついでに今週末が孫のバブちゃんの誕生日なので、入院の予定を調整してもらえないか相談してみよう。



夏休みで帰省中の娘と一緒に殿ダムを見に行く。

自然石を積み上げて作られたその姿は、まるで現代のピラミッド。


ダムマニアの方、管理支所に行けばダムカードが貰えます。