現在3クール目の抗がん剤投下中。
リアルタイム、入院5日目。病院のベッドの上でこの文章を書いている。
先日の遺伝子検査で新しい薬の候補が上がってきたのだが、実際にオレの身体に使用可能なのかどうかさらに詳しく検査中とのことで、今回はこれまでと同じ3勇士の投薬となった。
1/10の壁を突破しても、さらにいくつかの小さな壁を越えなければならないそうだ。
期待していただけに、少しガッカリ。
仲良くなったベテラン看護師のKさんに事の経過を伝えたところ、
「遺伝子検査を受ける患者さんは多いが、新たな薬に繋がった患者さんとは初めて出会った。相当低い確率に当たっていると思いますよ!」
と言って、拍手で祝福して下さった。
オレはこのひと言で、ようやく10%を実感した次第。
なんだかんだ言ってみんなそれなりに繋がってんだろ、と内心思っていた。
こうなるともう、未知なる力が働いたとしか考えられない。
御守りを届けて下さった多くの方、励ましや応援のメッセージを下さった皆様に至極感謝。
この調子で小さな壁も、ひょいひょいと飛び越えてくれ。
前の日記で書いたように、今回の入院では病院食を全てキャンセルさせてもらった。
外来の看護師さんによると、そういう患者も稀にあるとのこと。
窮状を知ってもらう一例として、
「配膳車の音が聞こえただけで気持ちが悪くなる」
と訴えたからか、
「その時刻が近付いたらヘッドフォンで耳を塞いでみては」
と親切に対策まで考えて下さったが、オレのところに運ばれて来ないのなら問題なし。
今朝もワゴンのモーター音をBGMに、卓上でアイスカフェオレを作成。クロワッサン2つを給湯室のレンジで軽く温め、優雅な朝食を摂った。
軽い吐き気を感じつつもどうにか食べられているのは、病院食のプレッシャーから解放されているからだろう。
たかがメンタル。されどメンタル。
だが夕刻の回診で、昨日取った血液検査の結果があまりよろしくないという報告を受けて消沈。
追加でオーダーされた尿検査や胸のX線写真に異常はみられないのだが、血液中の炎症反応が無視できないほど上がってしまっているらしい。
明日の朝採血をし、許容範囲内なら予定通り退院。下がっていなければ入院を延長して追加で検査と言われるが、青年T医師がこの顔になったら8割方延長は確定だ。
不調を感じる自覚症状が無いので、なおさら「何で?」という疑念に包まれてしまう。
気持ちの切り替えが難しい。
お盆前、果樹園の様子を見に行くと、季節外れの梨の花がチラホラ。
どうやら前の入院中に柵を乗り越えて大型の鹿が園内に侵入し、口が届く範囲の葉も幼果も新芽も全て食べ尽くして行った模様。
秋が来て落葉したと勘違いした木が、冬を飛び越して来年の花を慌てて咲かせてしまったって訳。
5月に息子たちとかけた700枚の袋も、ひとつ残らず落とされていた。
オレは野生の鹿を美しい動物だとは思っているが、かわいい動物だとは微塵も思っていない。
かわいいとか共存とかそんな感覚を失うくらい散々な目に遭わされているのだ。
いかにしてヤツを仕留めるか、病床で悪魔の箱わな計画を練る(過去、設置翌日に捕獲した実績あり)。
※一部の例外を除いて市町村の許可なく野生動物の捕獲、駆除を行う行為は禁止されています。我が家は箱わな設置の許可のみ得ています。
