一昨日の7月28日、大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」で、着ぐるみを着けてダンスの練習をしてゐたアルバイト男性が、熱中症で亡くなるといふ悲しい事故がありました。28歳といふ将来の有る若い方で、ご家族様の悲しみを思へば誠にお気の毒でなりません。冒頭から恐縮ですが謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
さて拙ブログでも、2017年10月27日に「初めてのアルバイト〈2〉」で、私が学生時代にそごう百貨店神戸店屋上に於いて、ウルトラマンショーに着ぐるみで出演した話を致しましたね。
子どもたちが夏休みの時期、炎天下におけるイベントですゆへ、これがいかに苦しい作業内容であるかは、賢明な読者の方々にはお察し頂けるかと存じます。着ぐるみの風通しの悪さ、着ぐるみ本体の重さたるや、並大抵のものではございません。それでも現代は合成樹脂や繊維の進化で、私どもの頃(40年前)よりもいくばくかは、軽量化され風通しが良くなつてゐると願ひたいものです。
40年前の着ぐるみは、私の皮膚感覚によりますと「ゴム製」に近いものだつたと記憶します。私はバルタン星人ですから、まだブカブカした感じで、皮膚への密着度も少ない方でした。それでも、例へば前日に着用したバイト仲間の体温や体臭、また汗の湿り気が残つてゐる事も多く、「俺は夏休みの間に全身インキンタムシに罹るのではあるまいか…」と、真剣に悩んだものでございます。
ウルトラマンの着ぐるみは、より皮膚への密着度が高い上、飛んだり跳ねたり、敵を(私たちバルタン星人)を蹴飛ばしたりしますゆへ、その暑苦しさはひとしお厳しいものがございました。その上、ウルトラマンは最後まで子どもたちを抱き上げたり、握手をして写真を撮られたりで気を抜くことができません。ウルトラマンを演じてゐる以上、立小便をしたりベンチでタバコを吸つたりは許されないのです。大スターの悲哀ですね。
外目には「ウルトラマンで良かつたねー」と思はれ勝ちですが、案外私どもバルタン星人やザラブ星人ら悪役の方が、殴られ蹴られるぶん退場も早く、失敗も大目に見て頂けたのでございます。
もう一つ蛇足となりますが、今後着ぐるみを着用してアルバイトをされる予定の方に、経験者から注意を喚起させて頂きます。まるまるとした寸胴タイプの着ぐるみは、確かに重量はありますが、大股で走ることが出来ない分、倒れても怪我をすることは少ないと思ひます。危ないのは、頭だけに着ぐるみを付ける場合です。知人が肉饅のコマーシャルを引き受け、頭全体に直径80センチもあるやうな大きい肉饅を被りました。すると自分の足許が見えにくいため、障害物につまづいたのでございます。そして転倒。その結果、彼は首の骨を折る寸前の重傷を負つたのでございます。
たかが着ぐるみ、されど着ぐるみでございます。給与は多少高額やも知れませんが、よくよくご注意されましたる上、夏休みの子どもらを喜ばせて頂きたく存じ上げます。

