任侠の方とペット | 還暦を過ぎたトリトンのブログ

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団塊世代よりも年下で、
でも新人類より年上で…
昭和30年代生まれの価値観にこだはります

 昨日は建国記念の日、紀元節といふめでたい日なので、奈良県の橿原神宮へお詣りに行きました。酷寒が予想されましたが、ちらついてゐた雪が霧雨に変はり、気温はむしろ穏やかになりました。深い緑に覆はれた神宮は美しうございました。

 

 前回ご登場頂いたT氏とは、かれこれ30年近いお付き合ひをさせて頂いてをります。

 かの世界には、現代のしきたりから遡つて古い原型が残されてゐる場合があります。とりわけ祝ひ事や、言葉の言ひまわしの中にそれを発見し感銘を受けることは多々ございます。

 またその世界の方々の常識は、私どもにとつて非常識であることもあり、その逆もございます。

 

 四半世紀前のことになりますが、私の知人でガラスを扱ふ会社を経営する方が、神戸にあるT氏の事務所へ呼ばれ、或る特注のガラス製品の製造を頼まれました。

 部屋の真ん中に、紫檀か何か高級な木材でできた机の枠が置いてありました。この枠の中にぴつたり嵌まるやうな、割れない硬質ガラスの生け簀を作り、その蓋もデザインして欲しいとのご用命でございます。

 一体何に使ふのかと尋ねますと、この中に子供の鰐(ワニ)を入れて飼育するといふのです。さすがにシュールでございますね。清潔な水を入れて、砂利や石を置いても割れない、強化ガラスをお望みでした。

 

 鰐が住んだ暁には、是非私も見学させて頂かうと頼んでゐたのですが、何とまだ鰐を入れる前に、かの阪神淡路大震災が起きて、あへなく生け簀も大破してしまつたのでございます。鰐が逃げ出して二次被害が出ることもなく、それで良かつたのかな…と口には出しませんが愚考した次第です。

 

 

 任侠の方が飼はれる動物といひますと、個人的にはやはり猟犬とかピラニアをイメージしてしまひます。

 さう思ひきや、くだんのT氏のお身内に、なんとワラビーを飼育してをられた方が居られました。左様、あのオーストラリア原産のカンガルーを縮小したやうな小動物です。

   性格は好奇心旺盛で、臆病。姐さんや子分よりも大事に連れ歩いてをられたといふ噂でございました。事務所詰めの方々の当惑した顔が目に見ゑるやうで、微笑ましいですね。

 

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