昭和の子どもの遊びと言ひますと、めんこ(ペッタン)、ヨーヨー、あやとりをはじめ、それこそ無数にございます。ご存知「ベーごま」に関しましては10年ほど前「ベイブレード」と名を変えて進化を遂げ、人気アニメも併せて大流行しましたね。
いにしへより「子どもは遊びの天才」と言はれますが、道ばたで目ざとく発見した廃物を利用する子どもの発想、知恵といふものには、今でもハタと膝をたたくほど斬新なものがございます。
古くは壊れた自転車のホイールを棒で転がして走る遊びがありましたね。またビー玉のガラス玉ひとつでも、ラムネの瓶から取るだけではございません。
今でこそ道路標識は電気が点りますが、昔はさうでない原始的なものもありました。
私が幼い頃、通行禁止の表示なのですが、目立つやうに大きな「×印」(一辺1mほど)を道路へ建てるだけの標識がありました。夜間はヘッドライトが当たるとキラキラ光るのです。電気を使用しないその標識は、ガラス玉を使用してありました。そのガラス玉には直径2㎝くらひの普通サイズから4㎝ほどの大きなものが使用されてをり、まれにその標識が古くなつて処分されてをるのを、廃材置き場などで見つけることがありました。
ビー玉遊びをする際にこの直径4㎝の大きなサイズを持つてをりますと、それこそ英雄扱いされました。近所の大きなガキ大将(中学生くらひか?)から是非譲つて欲しいと声を掛けられ、懇願されたこともございます。
さて、今日はご年配の読者の方に見て頂きたいものが有ります。これは私の幼時の記憶を辿つて描いたものですが、どなたかご記憶の方がおられましたらコメントを下さいませ。
近所の玩具屋で、メンコやビー玉などと並んで売られてゐたものなのです。縦12㎝×横20㎝くらひの厚紙です。覚へてをりますのは、当時の人気漫才師「ミヤコ蝶々(蝶々さん)&南都雄次(ゆうさん)」の似顔絵が描かれてをり、確か1点(最低点)がゆうさん、最高点5点だつたか6点が蝶々さんです。その間に数人の芸人の似顔絵があり、下から2点、3点と上がつてゆきます。その点数表示の下には1辺6~8㎜くらひの切り取り線が縦横に有つて、その線に沿つて切り取ります。この紙は二重になつてをり、めくると内側に上図と同じ小さな似顔絵が描かれてをります。ばらばらに切り取つたものを遊戯参加人員が順番にめくつてゆき、合計点数が最も高い者が勝ちといふ単純なルールの室内遊びです。
私の記憶では、この芸人バージョンだけでなく、昆虫(例えば最高点がカブト虫)や剣客、力士、プロレスラーバージョンなど様々な種類が在つたやうな気がします。
幼少の頃の記憶ゆへ、ゲームの名前も分かりません。「○○めくり」だつたかなぁ…。周囲の同年代の者たちに尋ねても誰ひとり覚へてをらず、現在では私の夢だつたのではないかと自信が揺らぎつつあるばかりです。博識なる皆様からの情報をお待ちしてをります。合掌