「軍将棋」を発見! | 還暦を過ぎたトリトンのブログ

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 写真をご覧ください。「軍将棋」をご存じでせうか?正しくは「行軍将棋」と言ひ、私どもは小、中、高校時代とこれに没頭し、秘めやかながらも永らく人気を博した机上遊戯(ゲーム)でした。



 私の実家は古物を扱つて生業を立てをりましたので蔵が有り、たまに思はぬ古いものを発見することがございます。これは私の勉強机を処分した際に、抽き出しに在つたものを段ボールに詰めてをいた中から発見しました。
 デザインが何とも戦時を想像させますね。日清日露戦役のイメージでせうか。将棋盤に当たるザラ半紙が付いてをりまして、それにルールが記載されてをるのですが、すべて旧字旧仮名遣ひです。ちなみに、皆様お気付きのやうに、私の本ブログも旧仮名遣ひを用ひてをります。自覚はしてをりませんが、幼な心にこの軍将棋が影を落としてゐたのやも知れませんね(苦笑)。
 ルールがなかなか変はつてをりまして、対局の二人だけでなく審判が必要なので都合三人で行ないます。と言ひますのは、写真とは異なり駒はすべて裏返して行なふため、対戦相手にはこちらの手の内が判らないのです。
 突入口から進みますと、相手の駒に「勝負」と声をかけます。すると審判が双方の駒を点検し、負けた方の駒は取り上げます。例へば騎兵と大尉の場合、大尉の方が強いので騎兵を盤から排除するのです。負けた方は相手の駒が何者なのか推理しなければならない…といふのがこのゲームの大きな特徴です。
 必ずしも上官の方が強いとは限らず、相手が「地雷」なら殆どの駒が負けますが、ひとり「工兵」だけは地雷に勝つことが出来る。また「スパイ」は「大将」にだけ勝つ…といつた入り組んだルールがあります。また「地雷」は一旦配置したら動かすことが出来ず、「タンク(戦車)」は空きスペースを一気に進めるとか、「ヒコーキ(戦闘機)」は空襲をかけることが出来ます。
 勝敗は、相手の総司令部に先に突入した方が勝ちといふもので、最後の最後まで勝敗が分からないところがスリリングです。子供ならずとも大人でも手に汗を握る、先人の知恵が詰まつた優れものと言へませう。