ホワイトデーは過ぎたけれど、バレンタインのお返しに、君が何かくれるらしい。
期待しないようにしていたから、貰えると知って結構、嬉しい。

君は何をくれるんだろう?

お菓子だったらホワイトチョコが好き。
美味しい日本酒でも嬉しい。

だけど、消えて無くなる物よりも、ずっと消えない物がいい。

身に付けられる物だろうか。
それとも、面白いだけで使い道の分からない物を選ぶのだろうか。


次に会うのは来月末。
最後に君と会ってから、まだ一週間しか経っていない。それなのに、一月会っていないかのように僕は君が恋しい。

嗚呼、君と過ごす時間こそが、僕にとって最高のプレゼント。
始まりは去年の夏だった。

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僕らは同じ高校に通っていた。

違うクラス、
違う部活、
違う委員会。
一度も言葉を交わすことなく、僕らは卒業した。

違う大学に進んだ二人。
交差しないはずの二人の道。


卒業後、初めての夏。母校のクラス合宿に付き添うことになった。顔合わせのため、会議室に入ると君がいた。

違うクラスを付き添う二人。
近付き始めた二人の道。


毎年、同級生は何人か参加していた。けれど、皆勤なのは僕らだけ。だから、僕らが同じクラスに割り振られることは絶対ないと思っていた。

同じ立場の二人。
川の両岸に伸びる二人の道。

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そして去年の夏。大学四年生になった僕らが付き添えるのは、きっとこれが最後。

神か。人か。
あれは一体、誰の気まぐれだったのか。

同じクラスを付き添う二人。
やっと交わった二人の道。

「知り合い」だった君が「仲間」になった夏。
物語の始まりの夏。
君と似ているところを見つけた。僕の心に花が一輪、咲いた。

君と違うところを見つけた。また僕の心に花が一輪、咲いた。

君について何か発見する度に、幸せの花が一輪、咲く。

いつの日か、一面の花畑になるだろう。
だから。
その日まで、大切に大切に育てていこう。
この花を。
僕は待っている。
君からのメールを。

僕は待っている。
君からの返事を。

君は忙しい人だから、夜にならないと返事は来ない。それは解っているけれど。

時々、昼間でも返事をくれるから。だから僕は君の気まぐれに期待して、携帯を一日中気にしている。


携帯が震えた。

「期待するな」
何度も自分に言い聞かせる。
だけど、期待は膨らみ続ける。

携帯を開き、メールをみる。

君からじゃない。
期待はまたもや裏切られた。


君から返事が来ない。
募る不安と淋しさで、僕は死んでしまいそうだ。
早く返事が欲しい。
友達以上恋人未満。
僕らの中途半端な関係は、先の判らぬ迷路みたいに続いている。


昨日から、高校の友達と日光にいる。
君も一緒で僕は嬉しい。

大学にも友達はいるけれど、この子達とは何かが違う。
クラスはバラバラ。
部活も違う。
けれど。
強く結ばれている仲間。
僕の大切な仲間。
僕の第二の家族。

僕らは異端の集まり。
箱に入れなかった規格外の寄せ集め。

だからこそ、なんだろうか。
君達といると
解放される。救われる。

だから。
心が死にそうなとき。
君達にとても逢いたくなる。縋りたくなる。

心からの感謝を君達に。