始まりは去年の夏だった。

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僕らは同じ高校に通っていた。

違うクラス、
違う部活、
違う委員会。
一度も言葉を交わすことなく、僕らは卒業した。

違う大学に進んだ二人。
交差しないはずの二人の道。


卒業後、初めての夏。母校のクラス合宿に付き添うことになった。顔合わせのため、会議室に入ると君がいた。

違うクラスを付き添う二人。
近付き始めた二人の道。


毎年、同級生は何人か参加していた。けれど、皆勤なのは僕らだけ。だから、僕らが同じクラスに割り振られることは絶対ないと思っていた。

同じ立場の二人。
川の両岸に伸びる二人の道。

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そして去年の夏。大学四年生になった僕らが付き添えるのは、きっとこれが最後。

神か。人か。
あれは一体、誰の気まぐれだったのか。

同じクラスを付き添う二人。
やっと交わった二人の道。

「知り合い」だった君が「仲間」になった夏。
物語の始まりの夏。