君の為に僕は何が出来るだろうか。


君は僕に沢山のものを与えてくれた。
例えば、それは陽だまりであったり。
例えば、それは色彩であったり。
例えば、それは救済であったり。

思い返せば、君の優しさに僕はいつも甘えていた。与えてもらうばかりだった。
僕と居るとき、君はいつも楽しそうだったけど、
僕は君に何か返せていたのだろうか。
返せていたと、自惚れてみてもいいのだろうか。
それは1月のことだった。
大学院の入試と卒論の提出を一ヶ月後に控え、不安と焦りに僕は満たされていた。

そんな僕に、
「なんとかなる」
冗談めかして君は言った。
君のことだから、その言葉には
意味なんてなかったんだろう。
価値なんてなかったんだろう。

ずっと前から知っていた筈なのに、僕の中で霧散していた言葉。君が思い出させてくれた言葉。

その日から、何回この言葉に救われただろう。
不安や焦りに押し潰されそうなとき、この言葉を思い出せば、心が軽くなった。
行き先の見えない旅だけど、前に進めば、きっと辿り着ける、そう思えた。


君の一言が、こんなにも僕を救うとは、君は思いもしなかっただろう。
君に出会えて良かった。
ありがとう。
「悔いを遺したくはない。」
そんな風に考えていたときがあった。
今になって思えば、なんて滑稽な考えだったんだろう。


「する」か「しないか」
人生は選択問題で溢れている。
選ばなかった道の先が、どうなっているか知ることは出来ない。
だから、自分の選択が正しかったのか、悩まずにはいられない。悔やまずにはいられない。

後悔しない選択。
そんなものがあるとしたら、そこには始めから選択肢なんて存在しなかったんだ。
人は相対評価しか出来ないから、他の選択肢があるフリをして、自分を満足させていただけなんだ。

「悔いを遺さない」ように生きることは不可能。
しかし。
「悔やまずに」生きることは可能だと思う。


後ろを振り返って、選ばなかった道について、あれこれ思い悩むのは、今日限りで終わりにしよう。
今日からは、前を見据えて、自分が目指す場所への道を見失わないようにしたい。
君に伝えたい想いは沢山あるのに、どうやって伝えたらいいのか判らない。

僕の想いが君の枷になってしまうんじゃないか。
ただそれだけが怖くて。
うっかり零した、たった一度の
「大好き」
さえも後悔している。

君には自由に飛んで欲しいから。
君の羽ばたきを邪魔するなら、僕の想いなんて捨ててしまって構わない。君の重石になるなんて、僕は耐えていられない。
君は僕よりも、あの子の方が好きなのかい?

あの子と話す君を見る度、僕は不安になってしまう。
あの子の話を君がする度、僕は不安になってしまう。


今までは、大好きな人が幸せなら、その人の「一番」が僕でなくても構わなかった。片想いで十分だった。

君の幸せは僕の歓び。
それは今度も変わらない。
何故だろう。
何が違うのだろう。

解らない。
君の何が違うのか解らない。
けれど。

僕は君の「一番」になりたい。
片想いのまま終わらせたくない。

僕は君から愛されたい。