映画 「メッセージ」をみた。
NPなどでSF映画の最高傑作とも言われていたので楽しみにしていたが
見終わった後の感想は「いろいろ考えることが多すぎて咀嚼しきれないほど味わい深い」映画
だと感じた。
戦いの描写は一切なく、ひたすら主人公であるルイーズの内面にフォーカスした作品。
と同時に過去、現在、未来の時間軸が入り乱れ同時進行しいていく感覚は最初わかりづらかったが
徐々に理解し感動すら覚えるものだった。
この映画のテーマを一言で表すと「自分の未来がわかってしまった上で人生をどう過ごすか」という
ことだろう。主人公のルイーズは、結婚、出産、離婚、娘の死などがこれから訪れることを知っている。
わかったうえで、人生を生きるとは辛いだろう。だからこそ将来をどうしようとか考えず今この瞬間に
感じる気持ちを深く味わうことを重視するように変化していく。
ヘプタボット語の循環性(時間に過去、現在、未来がない)や、言語と物理(時間)の概念など
複雑かつ実は綿密に構成されていて、見終わった後の感慨深さはむしろこれから徐々に押し寄せて
くるのだろうと想像する。
過去、今、未来を生きる意味をしみじみと感じる。
そして、やはり「先が見えないことがいかに幸せなことか」を考えるきっかけになった。
全ては繋がっている。でも未来はわからないし、わからないほうがいい。
今、感じる気持ちを大事にして日々生きていこうと感じさせてくれる非常に深い味わいの映画でした。