台北精米所 俵屋玄兵衛が目指していること | No Border 生きる。ベトナムで。

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この旧正月中に、俵屋玄兵衛のミッションについて
深く考えています。以前このブログで記載したように
俵屋玄兵衛のミッションは

1.海外に住んでいる日本人の方々に美味しい日本産米を適正価格で
  召し上がっていただくこと

2.海外の多くの方(日本人以外も含む)に、日本産米の美味しさ、価値をお伝えし
  ライフスタイルの向上に貢献すること

の2つです。

1について
僕自身、これまで海外に住んでいたことがあります(今も、です)が
どんなに現地の食が美味しくても日本人である以上、日本食を食べたくなる時が
どうしてもあります。これはヘルシーで且つ繊細な味付けがされる日本食に
多くの日本人は慣れており、それを食べることで「ホッとする」意味合いも大きいと
思います。ただし、問題が2点あります。
1つは、海外の日本食をうたっているお店の多くは、本格的な日本食ではなく
現地にあわせてアレンジされた「ローカル日本食店」が多いという事実です。
もちろん、本格的な日本食店はありますが総じて「値段が高い」高級店であることが
多くなかなか行けないというのが実情です。

2つ目は、現地で販売されている日本食の価格水準が高いということです。
日本から輸入しているので当然といえば当然ですが、醤油やだしなど調味料は
買える範囲ですが、米などの日本人の日常食は異常に高い(或いはそもそも売ってない)
ことが多く、駐在員の家庭でもなかなか手を出せないというのが現状だと思います。
また、お米についてさらに細かく言うと海外にある日本米は日本で精米してから
輸出され、現地に到着し販売されるため、どうしても精米してからの日数がかかって
しまいます。米は精米した瞬間から酸化が進み、風味が落ちていきます。
台湾に限ると、百貨店、高級スーパーで販売されている日本米は最短でも精米してから
1ヵ月半、長いものだと3ヵ月以上のものも少なくありません。
これでは、どんなに美味しいお米であっても消費者の方々食べる頃には
決して「最高の状態ではない」ということになります。


飲食店に行ってもなかなか日本米が食べられない、買うのもハードルが高い、
ここの問題解決に俵屋玄兵衛は挑もうとしています。
良いお米を、お届け直前に精米することで常に最高の状態で召しあがっていただけます。
また、店舗を持たずインターネット販売をすることでコストを抑え、他の日本米よりも
リーズナブルな価格でご提供することができます。
この「高品質(精米仕立て)+リーズナブル価格」という方針のもと、より多くの方々に
美味しい日本産米を召しあがっていただきたいと思っています。




2について
今、日本食は世界中でブームになっています。
しかしながら、「日本食」、「和食」という完成された料理にフォーカスされることが
ほとんどで素材そのものには、まだあまり注目されていません。
その理由は、完成された料理であれば現地の素材を使用して作ることが出来ますが
素材そのものを使う場合は、日本から輸入しなければならずコストが上がるため
難しいからです。もちろん、現地の素材を使うことには何の反論もありませんし、
現地は現地の趣好があるわけですから、その土地ならではの味を引き出していくことは
良いと思います。
俵屋玄兵衛が考える、「食文化」の普及とは単に美味しい料理、素材を広めることだけ
ではなく、それらを通して日本の伝統的な思考様式や作法などを同時に広めていきたいと
考えています。つまり、食とは言っていますが「食を通しての日本の発信」を
していきたいと考えています。


日本には、日本人も知らないような素晴らしい食の歴史、文化があります。
これまでは、日本国内で食というものが完結されてきた面があるためあまり着目
されませんでしたが、最近の日本食のブーム、そしてTPPによる農業開放などの
影響により、世界に目を向けざるを得ない状況です。
であれば、内に閉じこもるのではなく、自ら世界へ発信していく、そのために
自分たち自身も故郷である日本のことを学び、世界との接点をもっていくことが
今後必要になると考えています。


その一助に俵屋玄兵衛が貢献できればと思っています。


世界全体に目を向けると、人口爆発により食糧の確保が至急命題になってくるとともに
先進国では、「食にこだわる人」が確実に増えています。
急激な食の多様化が進む中でも、「日本の食のパワー」は底知れぬものがあり
同時にまだまだ本来の価値を発揮できていないと強く感じます。


日本の食(特に素材)の分野で日本から世界にガンガン出ていこうとしている
企業・団体は非常に少ないです。俵屋玄兵衛は、お米の分野で少しでも日本の良さを
発信していけるよう、今後も精進していきたいと思います。