2016年7月、韓国で中国を仮想敵国としてTHAAD（終末高高度防衛ミサイル）の配備が進められ、中韓関係は過去最低と言われるほどにまで悪化していました。これをきっかけに、両国の国民感情も悪化し、中国では韓国アイドルのコンサートが開催出来なかったり、韓国芸能人が中国のメディアに出演出来ないといった事実上の「韓国禁止令」が中国で広がっていました。
その後、徐々に中韓関係も改善し今年に入ってからは韓国アイドルや芸能人の中国国内での活動も活発化していました。ところが、またしても異変が見られています。香港メディア・東網（6月23日）は、韓国・釜山の4人組インディー・ロック・バンド「Say Sue Me」が予定していた北京でのコンサートが直前になって開催が出来なくなっていたことを報じています。
同バンドは来月12日に北京市でのコンサートを開催する予定となっており、所属事務所によるとすでに中国の関係当局からも開催の許可を得ていたといいます。ところが、当局からコンサート開催の許可を取り消すと通達があり、その理由については説明されなかったのです。
韓国と言えば、今月に入りロシアから軍事侵略を受けるウクライナへの支援に言及するなどの動きが見られていました。水面下でロシアへの支援を行ってきた中国としては、こうした韓国側の動きに警戒していると見られており、今回の人気バンドへの対応にも影響を与えた可能性も考えられます。