患者の命を救った医師が減給処分に  | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中国の名門医科大学・南方医科大学が、ある講師に対して行なった処分を巡り炎上する事態となっていることが報じられています。中国メディア・界面新聞(6月17日)は、この大学で小児科の授業を受け持ち、医師としても病院に勤務している女性が、減給処分を受けたことを報じています。



今回の女性医師は、5月10日に大学で担当していた午前8時からの講義に29分遅刻し、講義を受講していた学生が大学側にクレームを入れていました。記事によると、女性医師は講義前に自身が受け持っていた病気の乳児の容体が急変し、その対応にあたっていたため講義に遅れてしまったのです。当時、乳児は瞳孔反射が鈍く脳出血を起こしており、医師は緊急対応に迫られていました。そのため、講義に遅刻する旨を大学側に報告できず結果的に無断遅刻と判断されてしまったのです。


南方医科大学の校則では、講義への15分以上の無断遅刻は重大な教学事故として処理することが定められており、大学側は減給処分を決定したのでした。中国のネット上では、「医師が患者の命を救って処分されるのなら誰も医師になりたいと思わない」「この乳児を犠牲にして定刻に授業を行えばよかったのか?」「人命より校則が優先とは。この大学病院に行くのはやめたほうがいい」などの声が寄せられています。

こうした世論の反応を受け、同大学側は処分の妥当性について会議を行なっているとメディアの取材に応えています。29分講義に遅刻し、人命を救った今回の医師。今回の処分が撤回されないのであれば、処分されるべきはこの決定を下した上層部ではないでしょうか。