今中国では農村出身の1人の少女に大きな注目が集まっています。中国江蘇省にある漣水という農村に暮らす少女が数学の天才的な才能の持ち主だったことが判明したのです。
中国メディア・紅星新聞（6月14日）は、中国テクロジー最大手・アリババ社が開催した若者向けの数学コンテストで、北京大学や清華大学など中国のトップ大学の学生がランクインする中、職業訓練学校に通う女子学生が12位にランクインしたことを報じています。
天才少女として、大きな注目を集めているのが17歳の姜萍（ジャン・ピン）さんです。アリババ主催の数学コンテストは、中国国内だけでなく英ケンブリッジ大学、米マサチューセッツ工科大学、米プリンストン大学など世界各国の数学専攻の学生が参加しており、アリババ社は職業訓練学校に通う学生がランクインした事例は初めてであるとしています。
数学分野で天才的な才能を発揮した姜萍さんですが、実家は経済的に貧しく両親は農業を営んでいます。姜萍さんは高校に進学しなかった理由に実家の経済的事情を挙げています。姜萍さんの母親は現在、病気治療中で姉や妹の進学のために、高校進学を諦め、大好きな数学は趣味として楽しんでいるとメディアの取材に語っています。
一部報道では、中国国内の大学や香港の大学が姜萍について特別入学を許可する動きもあると伝えています。中国政府は3年前に全国的に貧困を脱却したと高らかに宣言していましたが、実際には姜萍さんのように優秀な学生が、経済的理由から公立高校への進学さえも諦めなくてはならない現実があるのです。貧困を理由に教育を受ける権利が侵害されることがあってはなりません。