外国語の詩を朗読禁止?歪んだ愛国主義者の正義感 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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この数年で影響力を増している「ビジネス右翼」「商業右翼」と言われる人たちの存在。複雑な国際問題や外交関係を単純化した言葉で表現し、誇大に国難を煽り続け、これをビジネスとして利益を得る行為が中国や日本でも横行しているのです。

信じられないことに、国会議員や地方議員の中にも「商業右翼」を利用し支持を得ている者がいたり、自衛官・公職者の中にも、こうした商業右翼による単純化された思想を盲信している者も多くいるのです。

中国では、こうした歪んだ思想に影響されたと思われる警察関係者が、着物や浴衣を着た一般の若者を不当逮捕したり摘発する事件が相次いでいることが報じられています。

中国メディア・網易(5月28日)は、上海市内の公園で外国語の詩を朗読していた若者が現地保安員に取り囲まれ、「なぜ外国語の詩を朗読しているのか。中国には5000年の歴史がある。なぜ中国の詩を読まず外国の詩を読むのか」と詰め寄られる事件が発生したと報じています。事件の様子は動画でも撮影され、SNS上で拡散されています。



今回の事件を見ていると、数年前にJR恵比寿駅で「なぜロシア語の案内標識を掲示しているのか」と多くのクレームが寄せられて、JR側が実際に一時ロシア語表記を隠した事件を彷彿とさせます。こうした行いが如何に愚かで危険であることか、気が付いてほしいものです。