中国外交部 靖国神社の事件に公式コメント | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中国人男性が靖国神社の石碑に英語で「トイレ」とペンキで書いたり、小便をかけるような動画を配信した事件について、中国外交部は記者会見でコメントを発表しました。





中国メディア・澎湃新聞(6月3日)は、本日行われた中国外交部(外務省に相当)の記者会見について報じました。メディアから、今回の事件について見解を問われた外交部の報道官は、「我々が強調したいのは、靖国神社が日本の軍国主義を対外的に侵略精神を象徴する道具として利用されているということだ。日本は侵略の歴史を反省すべきである。それと同時に中国公民には現地の法律を尊重するよう呼びかけていく」とコメントしたのです。

まず今回、中国人男性が行った犯罪行為は歴史問題とは全く関係がありません。男性自身も犯行動画の中で、処理水排出への抗議として行ったことを語っています。外交部のコメントからは、「軍国主義の象徴である靖国神社でこうした事が起こったことは仕方がない」という内容にも聞こえます。

中国公民が他国の宗教施設で器物破損事件を起こしたという事実を受け止めるべきで、歴史問題を提起することは中国自身の国家的立場を貶めることにもなるのではないでしょうか。もし、中国公民が政治的な米中対立の悪化を理由に、米国の宗教施設で同様の行為を行えば深刻な外交問題となることは容易に想像出来ます。中国が国家として今回の犯人の犯罪行為を擁護するようなことがあれば、国際社会での信用を更に失うことになるでしょう。