イジメを巡る反撃 中国最高裁判所が正当防衛を認める判決 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中国で大きく注目されてきたイジメを巡る反撃による加害者の負傷。司法の判断がようやく下されました。



2019年5月、湖南省の中学校で事件は起こりました。省内の中学校に通う14歳の少年は、日頃から同級生たちからイジメに遭い、金銭を奪われたり暴行を加えられていました。こうした中、校内のトイレで15人の同級生たちから暴行を受けた少年は所持していた刃物で3人の同級生を刺しその結果、2人が重傷、1人が軽傷を負ったのです。刺された3人の同級生の保護者たちは、少年の両親に対して怪我の治療代や慰謝料とし、合わせて20万元(約400万円)を要求していました。

普段から暴行や恐喝、強迫行為を受けていた少年は中国刑法20条の自己防衛であったと主張し、裁判が行われていたのです。

今月30日、中国の最高人民法院(最高裁判所に相当)は、「被害者は多数の学生から暴行を受けており、刃物を使って反撃したことは総合的な状況を考慮して正当防衛に該当する」として、刃物での反撃を正当防衛であるとし、反撃した少年の刑事責任を追求しないとする判断を下したのです。

今回の判決に中国のネット上では、「中学生が同級生を刃物で刺しておいてお咎めなしはおかしい」「学校側も加害者の保護者たちも子供のイジメ行為を止めさせることができなかった。15人からの壮絶な暴行を受けていた被害者は本当に命を危険を感じていたのだと思う」「暴行加えておいて反撃されて治療費請求するとか厚顔無恥すぎる」などのコメントが寄せられています。