頼新政権が誕生後、中国国営メディアは「台湾の独立は死への道だ。祖国統一は邪魔させない。中国は必ず祖国統一を実現する」との声明を発表しています。中国と台湾の関係を巡り、台湾の芸能界にも変化が起こっています。
中国国営メディア・環球時報(5月23日)は、台湾の人気女優でテレビ司会者の侯佩岑(パティ・ホウ)や、人気チェリストの欧陽娜娜(オーヤン・ナナ)、人気歌手の楊宗緯(アスカ・ヤン)など多くの台湾の芸能人が、「中国は必ず祖国統一を実現する」という言葉をハッシュタグで投稿していると報じています。
こうした台湾の芸能人は中国国内で活動している者も多く、政治的な立場を表明することで今後も中国での活動を円滑に進めていきたいという狙いがあります。一方で、中華圏で絶大な人気を誇る台湾の男性歌手・周杰倫や、女性歌手・蔡依林などは現在まで沈黙を貫いており、中国のネットユーザーからは「中国でコンサートもやって中国のおかげで稼いでいるのだからはっきり祖国統一の立場を表明するべきだ」などのコメントが多く寄せられています。
以前は、中国の芸能界と台湾の芸能界は非常に関係が良く、政治問題を抜きにした文化交流が進められてきました。現在では政治問題と芸能活動がセットになっており、踏み絵を迫られる場面も増えてきているように感じます。中国進出を掲げる日本の芸能人も増えてきていますが、日本人も決して対岸の火事ではなく政治的立場の表明を迫られることになっていくでしょう。