中国理工系の最高学府・清華大学で30年に発生した未解決事件について、進展があったと中国メディアが報じています。清華大学では1994年、当時この大学に通う女子学生・朱令令さんが何者かによって猛毒の化学物質タリウムを摂取させられ、その後中毒による後遺症で24時間の介護が必要な生活となり、昨年12月に亡くなりました。
朱さんは94年に一度目、タリウムを何らかの方法で摂取させられ体調不良により入院し翌年の95年に2度目のタリウム摂取の被害に遭い、深刻な後遺症が残り介護生活を余儀なくされていたのです。
この事件では、タリウムを入手することができ、なおかつ朱さんに投与出来る環境にあった人物として朱さんの宿舎のルームメイトで化学専攻だった女子学生が重要参考人として浮上していました。この人物は警察の取り調べ後、証拠不十分で釈放され、その後オーストラリアに移住したことが報じられていました。
中国メディア・観察者網(5月2日)は、朱さんの両親は未解決事件となっているこの事件について、これまでの捜査に不備があったとして検察側に捜査監督申請を行いこれが受理されたことを報じています。検察側は、現在捜査が終了扱いとなっていることや、重要容疑者だったルームメイトの出国制限を解除したこと、ルームメイトの氏名変更を認めたこと、状況証拠が揃っていたにも関わらず、証拠なしとして処理した警察の捜査を違法と認め、改めて再捜査が行われることになったのです。
昨年、被害女性がなくなったこともあり、中国では重要参考人だった女性について、オーストラリア政府に強制送還するよう署名活動が行われるなど、再度事件への関心が高まりつつあります。再捜査により、事件は大きく動こうとしています。