中国で凶悪少年犯罪が増加傾向 少年への極刑を求める声も | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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昨年12月、日本の法務省は2023年版の犯罪白書を公表し19年ぶりに未成年者の犯罪件数が増加して検挙数が前年比2.5%増の2万912人となったことを発表しました。中国でも未成年者の少年犯罪が上昇傾向にあり、2021年から2023年の3年間で未成年者が起こした犯罪件数が73178件となり、98426人の未成年者に有罪判決が下されています。

中国メディア・新華社(4月16日)は、未成年者による殺人事件も増加する中、2021年に刑法が改正され12歳以上から刑事責任を問えることになった中国で、すでに12歳〜13歳の4名の未成年者が10年〜15年の有期刑に処されていると報じています。



この数年、中国では低年齢児童による社会を震撼させる凶悪事件が後を絶ちません。2018年、湖南省では12歳の男子児童が口論の末、母親を刃物で殺害。ところが当時、年齢を理由に警察はわずか3日で児童を釈放していました。翌年には、大連で13歳の少年が近所の10歳の女子児童を強姦し殺害する事件を起こしています。この事件でも、年齢を理由に少年に刑事責任が問われることはありませんでした。

こうした事件がきっかけで中国では12歳から刑事責任を問えるよう法改正が行われたのです。こうした中でも増加傾向にある未成年者の凶悪犯罪について、中国メディアは家庭内におけるしつけや、インターネットによる影響が大きいと結論づけています。

ネットユーザーや市民からの大きな世論も影響し、法改正を行なった中国。未成年者の凶悪犯罪については極刑を導入するべきとの世論も高まっています。