一方、死亡事故や手術の失敗に関するニュースも頻繁に報じられており、技術レベルが低いことも指摘されています。こうした中、豊胸手術を行なった女性がとんでもない成分を注入されたとしてその被害をメディアに語っています。
中国メディア・新浪財経(4月14日)は、2022年に豊胸手術を受けた女性のインタビュー記事を報じています。被害に遭った現在27歳の女性は、2022年に友人の紹介により、北京市内にある美容クリニックで豊胸手術を行いました。女性が受けたのは、自分の脂肪を注入する「脂肪移植法」で、安全性の高いもので手術費用は54万元(約1100万円)でした。クリニック側は女性に対し、最先端技術を利用するという説明で多額の手術費用を請求したのです。
ところが手術後から胸部に痛みを感じ、別の病院で精密検査を受けたところ、胸部には豊胸用のシリコンのようなものがあることが判明したのです。女性は正体不明の物体について、摘出手術を受けこの物体の成分検査を行なったところ、ラクダやコウモリ、ゴリラなどの動物のタンパク質であったことが判明したのです。
女性は豊胸手術を行なった病院に、慰謝料や手術代の返金を求めようとしたところ病院はすでに倒産し、病院関係者の行方も分からなくなっていたのです。女性は現在も体調不良が続いていると言います。
悪質な美容クリニックの存在が指摘される中国。中国では一般的な病院医師の給与が低く、多くの医師が美容業界に参入しており、中には経験未熟な美容外科医も数多く存在していたり、嘘の説明で多額の手術費用を請求するクリニックもいるのです。こうした悪徳クリニックの撲滅に向け、人命にも関わる重大事件として捜査当局は事件の解明をするべきです。