中国の盗撮冤罪事件 謝罪は未だなし | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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日本でも度々話題となる電車での卑劣な痴漢や盗撮行為。一方で、冤罪である場合、その証明が難しいことも指摘されています。中国では今回、盗撮の冤罪事件が発生しその裁判の行方に社会全体の注目が集まっています。



中国メディア・網易(3月22日)は、盗撮の冤罪によって職を失った男性の裁判について報じています。事件は2023年6月に起こりました。当時、中国成都市内の地下鉄車内で乗客の2名の女性が駅員に盗撮被害を訴え出ました。女性は、乗客の男性が靴に小型カメラを装着し、スカートの中を盗撮したと主張したのです。



駅員が男性の靴を調べたところ、小型カメラなどはなく冤罪であることが発覚したのです。男性は女性たちに謝罪を求めましたが、女性たちは間違いを認めず謝罪することなくその場を去ってしまったのです。

男性は8月、この女性2名に対し名誉毀損で5万元(約100万円)の慰謝料を求める裁判を起こしたのです。12月に行われた一審判決で裁判所は男性の訴えを棄却。男性は控訴していました。男性は裁判に専念するため、仕事を辞めたことを自身のSNSで報告していました。

男性は今月22日、自身のSNSを更新し裁判所の仲介で3回に渡る調停が行われていたことを公表し、いずれも和解に達することはなかったとしています。今回の裁判では盗撮冤罪の際の慰謝料が5万元が妥当であるのか、また盗撮と主張した女性たちに正式な謝罪を求めることが出来るのかに大きな注目が集まっています。