春節訪日中国人 消費行動変化の背景には | 周来友 オフィシャルブログ

周来友 オフィシャルブログ

中国出身のジャーナリスト、タレント。
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春節連休中の中国。世界各国は中国人観光客の爆買いへの期待から、一部の国家で中国人観光客へのビザ免除措置を開始するなどインバウンドへの期待が高まっていました。ところが、蓋を開けてみれば期待したほどの爆買い現象は起こらず、百貨店やブランドショップでは苦戦を強いられていることが伝えられています。


爆買いブームが冷却化した背景には、中国国内の経済不況の影響もありますが、それ以上に物質的な満足感よりも精神的な満足感を求める人が増えたことも大きな影響を与えているのではないかと考えられます。





メンツ社会である中国では、以前は自身や自身の家庭の豊かさや充実度をアピールするために旅行に行けば土産品を大量に購入し、近所や親戚に配ったりすることで満足感を得ていましたが、現在はウェイボや小紅書(レッド)などのSNSの登場により、SNSで自身の生活や体験をアピールすることで満足感を得るようになっています。


日本を旅行をする中国人観光客の多くが、日本でのスキーや温泉、着物、日本食、アニメイベントを体験する様子をSNSに投稿し、多くの「イイネ」をもらうことでメンツや満足感を得ていることが分かります。


実際に以前の爆買いブームの時代には、借金をしてまで海外旅行に行き、大量に家電製品やブランド品を買っていた中国人も多くいたのです。SNSの登場により、「体験アピール型」へとシフトしていったのです。


今年の春節では、映えスポットとして河津桜がある伊東や着物体験が出来る浅草、温泉、富士山が見える美術館の展望台などに中国人観光客が殺到していました。爆買いブームが終了したことが強調されますが、中国人観光客の変化する需要に上手く対応していけるかが今後のインバウンドでは重要になっていくのでしょうか