連日お伝えしている香港での大規模デモですが、ついに香港と中国の市民が、場外戦という形で衝突してしまう事態へと発展してしまいました。
事件は今月24日、オーストラリアの名門・クイーンズランド大学で起こりました。クイーンズランド大学に留学している香港人留学生が、香港のデモに同調し集会を開いていたところ、そこへ中国人留学生たちが乱入たというのです。
《香港人留学生のデモに乱入した中国人留学生たち》
今回の事件では中国人留学生が香港人留学生に暴行を働いていたという報道もあり、校内には現地当局も駆け付ける騒ぎとなってしまいました。今後、香港を離れた第三国でこうした代理衝突が増えていくことも予想されます。今回のデモを暴力で押さえつけようとしたのであれば、香港人留学生の反発はますます強まっていくことは必至です。
メディアによると、香港人留学生たちは、大学構内で“香港独立”などをスローガンにデモ行進をしていたところ、これに反発する中国人留学生たちが集まり、中国国歌を歌うなどしてデモ行進に対抗したと言います。
インターネットの動画サイトにもこの時の映像がアップされており、まさに中国人留学生と香港人留学生が一触即発の事態となっていたことが分かります。
こうした状況が起こるのには、それなりの理由があります。その理由とは、一国二制度に対し、香港と中国の市民に認識の違いがあるのです。香港の人々が強権的な中国とは距離を取り、高度な自治を保持していきたいと考える一方、中国の人々は中国に返還された香港がいまだに独立を主張したりすることに反感を覚えているのです。今回の事件の背景にあるのは、こうした両市民の認識の違いと言えるでしょう。
今回の事件では、中国人留学生が香港人留学生に暴行を働いていたという報道もあり、校内に現地当局まで駆け付ける騒ぎとなってしまいました。今後も香港を離れた第三国で増えていく可能性のあるこうした衝突。今回のデモを暴力で押さえつけようとすれば、香港人留学生の反発はますます強まっていくことになるでしょう。