「ネット無制限」 消費者を騙す宣伝に中国では? | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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インターネットサービスを提供するプロバイダーや携帯電話会社などのCMで良く耳にする「ネット使い放題!」「データ通信無制限!」などの広告文句。その甘い言葉に釣られ、ついつい契約してしまった方も少なくないのではないでしょうか。


こうした契約のほとんどが、規定以上のデータ通信を行うと数日間で速度制限がかかるなど、その実態は宣伝文句とはかけ離れていることがほとんどです。


こうした誇大広告の問題は中国でも深刻で、消費者に誤解を与えたり、虚偽の内容の宣伝を行ってきた企業が行政から指導を受ける事態へと発展しています。


中国湖南省では先日、企業を管理監督する工商局が省内のプロバイダー会社と携帯電話の3大キャリア(チャイナモバイル・チャイナユニコム・チャイナテレコム)に対し、宣伝文句として使用してきた「流量不限量(データ通信無制限)」という文句の使用を禁ずる通知を発布しました。



《中国ではこうしてネット無制限という宣伝は違法と見なされ是正命令が出されたが、日本ではどうだろうか…》


工商局では今年8月以降、規定を超えたネット通信を行うと速度制限がかかるにも関わらず、「データ通信無制限」を掲げ、違法に消費者を騙しているとして、中国3大キャリアとプロバイダー各社を厳しく批判していました。そしてその後、広告内容の是正を命じ、今月とうとう「データ通信無制限」という文言が企業の広告から姿を消すことになったのです。今後は「安心のネット使用」という抽象的な文言が使われることになります。


《消費者からは、騙されたと抗議の声が大きかったため当局による捜査が行われた》


中国で初めて「データ通信無制限」の広告を掲げたキャリアは、チャイナユニコムでした。2017年1月から、こうした誇大広告で利用者を増やしていき、それを他のキャリアやプロバイダーが追随していったのです。しかし、しっかりとした説明がないままに契約し、速度制限をかけられる利用者が続出。工商局に次々と抗議の声が寄せられるようになったのです。


日本でもこうした抗議の声が少なからず上がっているようですが、未だ誤解を招く表現で利用者を獲得しようとする企業が後を絶ちません。皆さんはこうした問題をどう受け止めているのでしょうか。