世界の昆虫展で、クワガタムシの代表種であるノコギリクワガタと、オオクワガタの代表種を挙げてみます。
マレー半島産のアスタコイデスノコギリクワガタ。
ノコギリクワガタの中では、この種が事実上の中心種で、Prosopocoilus属の基本種にもなっています。
ギラファノコギリクワガタ。
これはフィリピン産亜種のマキタイギラファ p g makitai
ギラファは、この細っこい大顎がなんか頼りないし、元がノコなのであんまし喧嘩も強くないので、イマイチな印象なのですが、ガキンチョ達にはヒーローになっている為、人気抜群ではあります。
ただ、昔のプロ野球風に云わせれば、「人気のノコグループ(フタマタとシカも含む)、実力の・・・・・・」という具合に、他のドルクスグループ(オオクワ、ヒラタ)や、ルカヌスグループ(ミヤマ、ツヤ、マルバネ、ホソアカ)よか、身体能力と戦闘能力が低いのはなあ・・・・・・・。
日本産オオクワガタ
いつみても、オオクワは憧れです。
個体変異とメス。
オオクワの野生のを見てみたい・・・・・。
アスタコイデスノコギリクワガタ Prosopocoilus astacoides
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
ノコギリクワガタ類の代表種でかつ、中心種とでも云うべき種で、分布域もノコギリクワガタの仲間のみならず、クワガタムシ全般で見ても一番広く、インド産の原名亜種 P a astacoides 中国中部産のP a dubernardi モンゴル南部や中国南部、台湾産のP a Blanchardi、インドシナ産のP a fraternus、ベトナム南部産のP a karubei、海南島のP a reni、 ジャワ島やスマトラ島に住むP A pallidipennis 、マレー半島産亜種のP a mizunumai といった9種類もの亜種に分けられてアジアに広く生息している。
最大体長は、マレー産のもっとも大型となるmizunumaiで90mmとなり、ノコギリクワガタ全般でも大型の部類となり、長めのやや真っ直ぐ伸びた大顎と、赤み、もしくは黄色やオレンジがかった全身の体色が特徴的で、「キバナガアカクワガタ」とか、「オオアカノコギリクワガタ」とも呼ばれていた。
日本に輸入されることも多く、日本のノコギリクワガタと同じく、その体色とフォルム、飼育・繁殖難易度が低めの為に人気種となるが、日本産同様に個体変異が激しく、大型の個体は日本産の中型個体にもやや似た、普通にやや湾曲の弱くかつ、真っ直ぐ伸びた大顎になるが、中型や小型となると、日本産と同じく、鋸状の内歯が多くなる原歯型が増える。
闘争心も強く、自分より大きなクワガタやカブトムシ相手にも戦いを挑む事がある。
グランディスオオクワガタ Dorcus grandis
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
オオクワガタ属では、アンタイウスオオクワガタや、シェンクリンオオクワガタと並ぶ最大種で、最大体長90mm近くにも達し、普通のオオクワガタよりも太目で迫力の有る体型となるが、オオクワガタと異なり、内歯が大顎中央付近に出来ても、中向きに伸びて、やや前方寄りに生えるオオクワガタとはそこが異なっている。更に胸部部分もオオクワガタとは異なる形状となっている。オオクワガタ同様、大顎の力も脚力も強く、気性もオオクワガタより荒い面が強い。
ラオスやベトナム、中国南部産の原名亜種のD g grandis と、インド、ミャンマー産のD g moriyai、「タイワンオオクワガタ」の別名を持つD g formosanus といった三種の亜種に分けられ、このうち、moriyaiはもっとも大型となって最大90mmを超す程となるが、ormosanusは最も小型となるだけではなく、生息国のタイワンではシェンクリンと同じく、保護昆虫指定を受けていて、捕獲は基本的に禁止されている。
最大のオオクワガタという事で絶大な人気を誇るが、産卵数が少ない事や、オオクワガタよりも飼育難易度が高い事から、その値段と、他のオオクワガタよりも入荷数もやや少なめという事で、購入者泣かせの虫ともなっている。