骨と剥製 | zojurasのブログ

 

国立科学博物館で見た動物達の標本や、剥製紹介の続き。

これは、ターミネーターの手・・・・・・ではなく、パンダの腕骨格。

上野動物園で飼われていたジャイアントパンダとツチブタの剥製がありました。

これはある動物の頭蓋骨ですが、何かお判りでしょうか?

正解はゴリラのものです。

しかし、パラケラテリウムの左下を見れば判るように、大きなゴリラも、古生代動物に比べたら・・・・・・。

こちらは日本一有名なワンコだったと思う忠犬ハチ公。

 

主人の帰りを待って、いつも駅で・・・・という美談ですが、ホントは、周囲の人々がくれる飯をたかりに来ていたとも・・・・・・。

こっちゃは、南極で生き残った事で有名なジロの剥製。

 

兄のタロの剥製は、上野から離れた北海道札幌の北大(北海道大学)に収蔵されていますが、その理由は生き残った翌年、ジロが南極で病死し、タロのみ帰国出来て、以降は余生を北海道で過ごして、ジロはそのまま東京で剥製になったという訳でした。

因みにタロジロ兄弟は、犬ぞり用に品種改良された「カラフト犬」だったのですが、映画『南極物語』では、役柄犬がシベリアンハスキーになっていて、「なんか映画のワンコ達と違う・・・・」と思ったら、映画撮影の頃、カラフト犬はほぼ絶滅状態で、代役にシベリアンハスキーを・・・・・という笑えない事情があったのでした・・・・・・。

 

まあ、あの映画はガキの頃は只流されて感動して見入っていたのですが、そうした真実や、現在の外来種問題を考えると、「あの時、感動した時の涙を返せ!」という具合に、現在は冷ややかになってしまうのです。

最後は、上野動物園で飼育されていた巨鳥達の剥製紹介。

コンドル Vultur gryphus

脊椎動物門 鳥網 タカ目 コンドル科

アンデス山脈沿いの南米大陸に生息する飛ぶ鳥の中では、最大級の種類で、体長1.2m、翼を拡げると3.2m、体重最大15kgとなり、寿命が50年にもなる事から、南米先住民の間では古くから信仰の象徴とされてきた鳥でもある。

他のタカの仲間と違い、オスの方がメスよりも大型である為、コンドル科に分けられ、本種だけでコンドル属にされ、アンデス山脈一帯に生息する事から「アンデスコンドル」とも呼ばれ、旧世界のハゲワシ類との収斂進化として頭部に羽毛が生えず、腐肉食である事から、雑菌が繁殖しないようになっている。

長大な翼でアンデス山脈の上昇気流を捉えて飛翔し、高高度から餌である動物の遺体を探し、見つけ出して貪り食う。食した後は数日間は何も食べずに過ごす場合もあり、また食べ過ぎると只でさえ重い身体が災いし、動きが採れずに飛び立てなくなる事すらある。

普通の野生動物だけではなく、家畜などの死骸も食べる。そうしてアンデス山脈の掃除屋として重要な役割を担っている。時に弱った生き物を襲う事もあるが、害獣駆除の毒を蒔かれて、それを食して中毒死したり、人間世界に近付いた事で密猟並びに、交通事故や、電線に接触して命を落とす個体も後を絶たず、現在はVU(絶滅危惧II種)指定として、南米各地で飼育繁殖や、野生個体の保護・復帰のプロジェクトも行われている。

 

 

ヒゲワシ Gypaetus barbatus

脊椎動物門 鳥網 タカ目 タカ科

ユーラシア大陸~アフリカ大陸にかけて住む体長115cm、翼を拡げると3m近くにもなる大型のハゲワシの仲間で、普通のハゲワシ類と異なり、頭部と首に羽毛が生え、それに覆われているのが特徴で、その羽毛のうち目の前と顎下にかけて伸びる黒い羽毛が密集するように生え、それが人間の顎髭のように見える事からその名が付き、本種のみの一種一属のヒゲワシ属を形成する。

ハゲワシ類と同じように、動物の遺体を主食にしているが、胃の消化力が普通のハゲワシ類よりも強力なのが特徴で、普通のハゲワシ類が食べる事が出来ない獣の骨を溶かして栄養にする事が出来る特性を持ち、獣の骨を摘んで、上空に飛翔して落下させてたたき割って、その中身の栄養素を食べる事で、他のハゲワシ類との競合を避けているともいわれる。

本種に最も近い種類のハゲワシは、エジプトハゲワシ Egyptian Vulture  とされ、エジプトハゲワシのダチョウの卵を石で割る性質と、本種の骨を落として食する生態に分かれていった説があり、『アラビアンナイト』に登場する怪鳥ロックのモデルにもなったと云われている。

他のハゲワシ類と違う進化の道と生態を選んだものの、生息域の高山地域の開発や破壊、餌動物の遺体を毒餌にされ、中毒死が増えた事から激減し、現在NT(準絶滅危惧種)指定。