装甲騎兵ボトムズ40周年記念第11話
治安警察は猛爆の中でも生きていたキリコを抹殺しようと、多数の警官達でバトリングスタジアム周辺を固めていました。
しかし、治安警察本部では、素体の意外な反応に驚く事になるのでした。
ボロー「もう知っているだろうが、キリコが生きていた・・・・・・。こうなったら遠慮はいらん、殺すのだ!」
イスクイ「パーフェクトソルジャーとしての力を存分に見せてくれ!」
素体は一言、「嫌です!」と、ボローとイスクイの命令を拒絶しました。
ボロー「プロトワン!!」
イスクイ「信じられん・・・・・パーフェクトソルジャーが逆らった!?」
キリコも、戦闘準備に入りました。
キリコ「とっつぁん!ラビットを逃がしてくれ!!」
治安警察「見ろ!奴の左肩を!?レッドショルダーだ!?」
左肩が甘く染まったスコープドッグを見て、治安警察はたじろぎます。
レッドショルダーは銃火を浴びせて行きます。
治安警察はレッドショルダーのATに一斉攻撃を仕掛け、遂に破壊します。
治安警察「大したことなかったな、レッドショルダーといっても、所詮一機だ。」
だが、油断した警察の後ろから
銃火が撃ち込まれます。
遂にキリコの乗った本命であるRSC(レッドショルダーカスタム)が、警察に襲いかかりました。
キリコ=レッドショルダーの罠に嵌まり、浮き足だって混乱する警察は、体制を整える前に一掃されてしまいました。
十分経ったら動いてくれというキリコの指示に従って、その驚くべき威力を見ながら、ゴウト達も作戦に乗り出します。
ゴウト「流石レッドショルダー、凄まじいモンだな・・・・・・・。」
キリコの猛攻に治安警察は、総力を結集せざるを得ませんでした。
全身に据え付けた火器から
地獄の火炎の如き炎を吐いて、キリコは警察に肉迫していきます。
一方治安警察では、キリコと戦うのを拒否する素体の謎を探ろうと、ボローがイスクイと共に、素体の過去を探り当てます。
イスクイ「ボロー、お前が何を考えているか知らんが、素体がキリコと会ったところで、コイツが反抗する理由にはならんぞ。何しろ、戦闘用パーフェクトソルジャーとして、我々のレクチャーが叩き込まれているのだからな。」
ボロー「常識的に考えるとそうでしょう。しかし、もしこいつの意識に、レクチャーが施される前に、何か別なものを見ているとしたら?それはもしや・・・・・・・。」
イスクイ「・・・・・・キリコだというのか!?」
ボロー「有り得るはずですぞ。確か、素体の第一発見者はキリコだったはず・・・・・・。」
そしてヂヂリウム保管所でキリコに会っていた事が判り、更に突き詰めていくと、ボローの予想通り、小惑星リドでキリコを目撃し、それがずっと脳裏に焼き付いている事が判明しました。
ボロー「彼女はキリコによって誕生させられたんだ!?パーフェクトソルジャーとしてのレクチャーを受ける以前に、キリコを見てしまった・・・・・・・!?」
イスクイ「すると、こいつの頭には常にキリコが・・・・・・・。」
逆上したイスクイは素体を殺そうとしますが、ボローに宥められて、ひとまずキリコに向かわせようとします。
ロッチナも、その状況を見守ります。
情報員「治安警察はキリコ一人に大分手こずっているようです!」
ロッチナ「うむ、だが、キリコもそろそろ弾薬が尽きてくる頃だ。条件は五分と五分・・・・・・面白くなってきたな。」
ロッチナの言葉通り、キリコのATは立ち塞がる治安警察を撃破しながらも、次第に損傷を深め、弾丸も切れてきました。
そして治安警察もまた、対キリコ用に、嫌がる素体をどうにか宥めて、投入しました。
イスクイ「だが忘れるな!お前は我々によってレクチャーされたパーフェクトソルジャーだという事をな!!」
そして、14台の装甲車を、やってくるハイウェイの根元を撃って、瓦礫諸共埋めてしまい
ガトリング砲でヘリを撃ち落としましたが、スコープドッグは限界を迎えていました。
キリコ「くそっ!コンプレッサーをやられたか!?」
ゴウト「キリコ、聞こえるか!?」
キリコ「何処だ!?ゴウトか!?」
ゴウト「お前の近くだよ!50m程下にいる!」
キリコ「動けない!脱出するから下で受け止めてくれ!」
ゴウト「いいとも!、さあ、そっちを持って拡げろ!キリコを受け止めるんだ!」
そして、どうにか着地出来て・・・・・・。
バニラ「キリコ!もっと静かに降りられねえのかよ!!」
キリコ「すまない。」
ココナ「此処まで来たら、あたいも止めないよ!さあ、治安警察は目の前だよ!!」
ゴウト「思いっきりやんな!エネルギーはたっぷりあるぜ!!」
バニラ「へっ、付かず離れずさ、俺達ゃよ。」
警官達を蹴散らすキリコの背後から、ブルーティッシュドッグが現れ、攻撃を加えてきます。
応戦を続けながら
治安警察に突入します。
キリコ「今度こそ決着を付けるぞ!!」
ボローとイスクイを追うキリコに、ブルーティッシュドッグが立ちはだかります。
ラリアットを喰らって倒れたキリコに
素体が降りて、キリコを起こそうとした途端、キリコはアーマーマグナムを素体に向け、もはや素体は屈する以外にありませんでした。
ロッチナも、この事態に決断しました。
ロッチナ「・・・・・・キリコの勝ちか。今後、治安警察がどう足掻こうとも、キリコは此処を脱出するだろう。素体を連れてな。最早治安警察の手に負えない・・・・・・・バッテンタイン中将に連絡、正式に軍の出動を要請する!」
そして、キリコは捕縛した素体に名前を聞くと、ただ、名前にもなっていない「プロトワン・・・・・・」とだけ答えました。
俺の運命を狂わせた彼女は、もう敵ではなかった。
ますます泥沼に引きずり込まれそうな予感に脅えながら、一方で俺は驚いていた。
自分がこれほどまでに願った事があるだろうか?
もっと、生きたいと・・・・・・・。
次回予告
百年戦争とリド、素体、キリコ、ウド、パーフェクトソルジャー。
縺れた糸を縫って、神の手になる運命のシャトルが飛び交う。
アストラギウス銀河に織りなされる、神の企んだ文様は何?
巨大なタピスタリーに描かれる壮大なドラマ。
その時、キリコは叫んだ。「フィアナ」と
次回「絆」
いよいよ、キャスティング完了。