大気圏突入! | ZETA-WEB電脳市場

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朝8時から10時までは「虎ノ門ニュース」に若狭勝弁護士と共に参加します
(青山繁晴の道すがらエッセイ)

タイトル: 機動戦士Zガンダム 4

  いよいよ本日(28日)『機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-』劇場公開。このDVDは、この第1部のクライマックス、エューゴの地球降下作戦とそれを阻止すべく迎え討つティターンズ。双方共に地球連邦軍同士の死闘が、宇宙(そら)の大気圏上で、そして地球連邦軍の基地ジャブローで繰り広げられる。TVシリーズで良かった映像(演出)はそのまま活用され、活けてなかった映像は新たに画き下ろされて、ミックスされて、劇場で陽の目を見ることだろう。


 私が一番好きなエピソードが、このDVDの第11話「大気圏突入」。(上記のように)エューゴ対ティターンズの大気圏上での死闘が描かれているのだが、そんな活劇よりも、このエピソードには登場人物たちのドラマがしっかり描かれていて、それが興味深い。再会したばかりのファを冷たく突き放してしまって、降下作戦に出撃するカミーユ。地球に残してきた家族(ミライさんとその子供)の身を心配するブライト艦長。そして、同じく地球に残してきた愛人(アメリア!!)に逢いたい、カクリコン中尉と、ひたすらライラの仇を討ちたいジェリド。


 そこに新たな因子シロッコのメッサーらが加わることで、このエピソードはさらにスリリングになる。「落ちろ、蚊トンボ!」と冷笑しながら、MSや巡洋艦を次々と破壊していく、MA(モビルアーマー)のシロッコ。そんな「新たな敵」に遭遇して、シャアは百式のコックピットの中で「あれはアムロでもない…違うタイプだ…」だとうめく。そのメッサーラに片腕を損傷させられたエマ・シーンのリックディアスは地球に降下が不能となり、ブライトから指令が降りる。地球でアムロに逢ったことがあるエマさん。何としても、地球に降りたかったのだろうが……


 しかし、エマさんが地球に降りていたら、どうなっていただろう? ちょうどベルトーチカとキャラが重なって、やはり、ここはエマは何としても地球に降下させられなかった。制作者側の都合だった。地球に降下した後、ジャブローでの戦闘、ケネディー空港でのシャトル発進を経て、第14話「アムロ再び」でシャアとアムロが戦場で再会する。アムロが輸送機をMA(アッシマー)にぶつけるという、ムチャクチャでぶっ飛んだ演出が我々を楽しませてくれた。第14話の演出・今川泰宏。彼だから出来た演出だろう。後に『ミスター味っ子』の監督で才覚を揮うことになる。劇場版でも採用されているらしいから、痛快だ。

Zガンダム 劇場版 星を継ぐ者