ペディキュア
親父に似た
四角い爪、
気に食わなくて
恨んでたのが
馬鹿みたい。
同化したくて
仕方なかったから。
憧れあの子を
同一視してたから。
「君の足はギリシャ型だね」
って
あたしの車椅子を押す
お爺さんが云った。
あたしが首を傾げると
彼は続ける、
「ほら足の指、親指より人差し指の方が長いだろう?だから君のはギリシャ型だ。」
逆だとエジプト型なんだって云う。
「ほら着いたよ。」
いつものリハビリテーション室、
あたしはここが好き。
「幸せはいつも自分の心が決める」ってみつをの詞が壁に掛けてあって、棒をつたって歩きながら想う。
自分で決めていいんならあたしは幸せですって、
おじぃとかおばあが話をしてくれる。
コーラはおいしいとか、孫が可愛いとか、
世界は広いなって想う、
あたしの世界も
広がってるんだろうか?
こんな風に?
歩けるようになったら
自転車を漕いで
懐かしいあの場所へって
戻らない君を
誰にもばれないように
貶しながら
誓った。
だからあたしは
頑張るよ、
約束した桜並木の中
支えなんかなくても
歩けるように
頑張るね。


