ノーベル賞経済学者でシカゴ大学教授のゲーリー・ベッカーさんのインタビューでいい記事があった。
人的資本を有効活用するためには?という話。
そのためには「箱の外で考える」ことが重要だとゲーリー・ベッカーは説きます。
箱は今までの経験などで作られたその人の価値観のようなもので、どちらかといえば年上になるにしたがって箱の中でものを考えてしまい、外のことはわざと考えないようなる傾向があると思います。
わりに新しい会社でしか働いてないので、意味不明な業務命令を受ける職場にいたことはないのですが、きっと大企業にはそんなことも多くあるのだろうなぁ。
話を戻して、日本の高等教育(大学)の問題点は2点あって、
1.受験まで勉強するけど、大学で学ぶ環境にない。
2.自力で考えず、意見をいうことをしない教育。
1に関しては昔から問題視されていた。
卒論を書かなくても卒業できる問題もさることながら、単位は出席さえすれば取れるものが多く、学生は「楽に単位を取れる講義」を先輩に聞いたりして「人気のある講義=単位が簡単にもらえる講義」になっている。
また大学に入るための勉強にフォーカスして初等教育が行われていることも問題だ。
社会人になると基礎学力も大事だが、応用力・適応力が大事になる。
創造的な仕事をできる人はえてして教養も高い。たまに教養がなく仕事ができる人もいるが、それは専門職などに多く、その場合は人付き合いなどが苦手だったりする。
大手企業の人事部に聞くと、就職活動で篩にかけるときに学歴やSPIが必要になるのはないよりもある方が実際にいい人が多い割合が高いからしょうがないらしい。
そりゃそうだと納得せざるおえない。
だけど、結局は人間力か。まぁそれをたった数回の面接で判断するのは無理なわけだけど。
2も1に関連する部分が多い。つまり受験勉強は知識ではあるものの、知識=考える力となるとは限らないということだ。どちらかといえば、大学で考える力を学ぶ環境が必要なのだろう。
ものを考えるという行為は習慣づけだと思う。
勉強の知識をテストの点をとるためだけに使う人は、仕事を作業をわりきって行うだろう。
たとえば数学の問題をパズルのようだといって楽しめる人は、仕事のプロセスも楽しめる可能性が高い。まぁ仕事の場合は答えが明確に与えられていないからより複雑なわけだけど。
人口の減少に関する問題への解決策も二つ。移民と高齢者の活用。
まったくもって賛成。教授もいうように、日本は移民への抵抗感がものすごく強い風土があるけどね。ドイツも抵抗感あったっていっても、日本は島国。もっと強そうだ。
高齢者活用はすでに年金問題もかさなって行われ始めている。より活用する環境つくりが大切。
いい文章を引用。
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私の定義では、経済学は、人々がインセンティブ(動機づけ)に対してどう反応するかを学ぶ学問です。もっと子供を産んでもらうなり、高齢者に新しいスキルを身につけてもらうなり、何か新しいことをさせるには、やった方が得だと思える何かを示さなければいけない。
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つまりは人を動かすには、それなりの何かを提供し、それを与えることで企業にも有益になることをしてもらう必要がある。
生産性は知識・経験・意識・気づきの段階によって大きく変わる。
企業のもっとも大きな資本は人。それを改めて考えさせられたコラムだった。
議論の応酬がリーダーを創る
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20081017/174243/