スリラー映画の最高峰
SAWシリーズ、新章誕生。
「スパイラル:ソウ オールリセット」公式ホームページに踊る新章誕生の文字。
前作「ジグソウ:ソウ・レガシー」から
新章が始まったんじゃなかったの??
思わず疑問符がつくこのお題ですが、本作を鑑賞すればはっきり理解できます。
この新作を純粋に楽しみたいので、出来る限り情報を遮断。予告編すら観ずに鑑賞しました。
とはいえ、鑑賞直前に、「アカデミー賞授賞式ビンタ事件」クリス・ロック、「モーフィアス」サミュエル・L・ジャクソンが主演ということを知って、かなりビックリ。
こんな大物俳優が出るとはドウイウコト?
ちょっとイヤな予感が...
(2021年制作 上映時間 1時間33分 監督ダーレン・リン・バウズマン)
ストーリー
独立記念のパレードがあった日の夜、警察官ボスウィックは捕らえられ、地下鉄の線路上でゲームに参加させられる。
ボスウィックはゲームをクリアすることは出来ず、彼の身体は四散する。
その後、捜査を開始したジーク刑事(クリス・ロック)宛に小包が届く。中には「遊ぼう」と書かれたUSBが入っていた。
再生したところ、不気味な渦巻き模様の画面が映っていた。
それは、かつて世間を震撼させたジクソウ事件を彷彿させるものであった。
ジークは新しく相棒となった新米刑事のウイリアム(マックス・ミンゲラ)と共に事件を追うが、またも署内の刑事が犠牲となる。
本当にゲームは再開されたのか。果たして犯人の目的は?
登場人物
エゼキエル・"ジーク"・バンクス/クリス・ロック
そもそも、「スパイラル:ソウ オールリセット」はソウ(Saw)シリーズの大ファンであるクリス・ロックが、本シリーズにおける自分のアイデアを、配給会社のライオンズゲートに売り込んだことが発端です。
エグゼクティブプロデューサーとして関与することとなったクリスは、主演も務めており、全力でこの映画に取り組んだと思います。
しかし、これが全くの迷惑千万。
本作の感想は後で述べますが、クリスが関与しなければ、こんな映画にはならなかったのではないでしょうか?
とはいえ、口八丁手八丁のクリスに言いくるめられたであろう、ライオンズゲートにも問題はあると思いますが。
ちなみにジーク刑事自体は、そこそこ優秀な刑事。
クリスの演技も悪くなかったです。
感想
駄作です!!
正直いって、全く期待外れの作品です。
今までと違うアプローチで、ソウ(Saw)シリーズを再生するという考え方はわからなくもないですが、これはただの刑事ものサイコホラー映画です。
ここにはソウ(Saw)の根幹である、ジグソウの意思、ゲームの目的が全くありません。
彼のゲームは「過去の罪を更生させるためのテスト」であり、「生きる目的を見出す」ことが目的です。
本作のゲームにそのような背景は微塵もなく、私的な怨恨による、ただの拷問殺人です。
黒幕の行動も全く
理解ができません!
警察の不正を正すという強い意志が動機であれば、長期にわたってそのプランを遂行する計画を立てるはずです。
しかし、この黒幕は悪徳とも言い難い刑事を含めて、ほんの数名を拷問殺害しただけで、自分の正体を明らかにしてしまいました。
こんなことが目的であれば、
ジグソウを模倣する必要は全くありません!!
ジグソウのブランドが必要であれば、ジーク刑事ではなく、メディアにUSBを送るべきでしょう。
これでは捜査かく乱にもならず、そももそ世間に届きません。
確かにオールリセットですが、こんな体たらくじゃゲームセットにもなりかねない有様。
ソウ(Saw)シリーズでなければ、気楽に楽しめたかもしれませんが、本作「スパイラル:ソウ オールリセット」はとにかくダメダメでした。
満足度 30点
