【新日本ファクトチェックセンター】
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前回記事(その159)に引き続き都知事選2024等の考察を。

 

 



■立憲民主党議員らによる【悪質なデマ・誹謗中傷】に注意

まず、立憲民主党議員(原口一博)らによる【悪質なデマ・誹謗中傷】がネット上の一部で広まっているようなので、デマの指摘をしておきたい。

デマのポストは以下など。

原口一博 2024/06/12

 

>【小池百合子知事伏魔伝退治はどうなった?】#東京都議会ではまともな事を言ったら退席させられるのか?  正直言って恐ろしい。   これが首都東京なのか?


何がどうデマなのか?は、以下記事を参照されたい。

小池百合子都知事が都議会で自身に批判的な議員を退席させた?【ファクトチェック】
2024年6月21日 日本ファクトチェックセンター


>つまり、拡散した動画は、採決と動議の趣旨説明の順番を逆に編集している。

>判定
>関口健太郎都議が予算特別委員会で除斥され、退席したのは事実だが、自身が関係する議事に加われないという都議会の条例に基づく手続きで、議事後は席に戻った。拡散した動画は議事進行の順番を変えて編集されており、「小池都知事が自身に批判的な議員を退席させた」はミスリードで不正確と判定する。


上記記事で言及している元動画は以下で見れる。

 

真琴「わざわざ時系列を逆に編集加工しているなど、意図的に視聴者を錯覚させるペテン師的な悪意マンマンの酷いフェイク動画ですねぇ」

うむ。
そしてこうしたフェイク動画にまんまと釣られてアホなバッシングでデマを拡散している者(原口一博ら)が大量に湧いているようだが、賢明な皆は決して騙されないように。



■れいわ新選組は今回蓮舫を支援しないと決定&公表

続いてこちらの件。

今回の都知事選で「れいわ新選組」は、結局「静観」でどの候補者も支援しない方針を公表した。

れいわ山本太郎氏「静観」都知事選は独自候補擁立目指すも断念と明かす「次の戦いへ準備進める」2024年6月21日 日刊スポーツ

 

>私たちは野党共闘にはくみしない。私たちが(所属議員の)数を増やさないと、この茶番国会では戦えない

>野党として、なぜ蓮舫氏を支援しないのかという声を受けているとして「蓮舫さんは政党の支援を受けないと言っている」と主張


今回の都知事選で、国政でのいわゆる左翼4政党(立憲、共産、社民、れいわ新選組)の内、れいわだけが蓮舫への支持や支援を拒否して「静観」、という構図になった訳だ。

翔子「あらら。ちょっと意外?な気もしますね」

うむ。

これで蓮舫は「維新」や「教育無償化を実現する会(前原誠司の党)」や「れいわ新選組」にはフラれて「静観」されてしまい。

それどころか、静岡県知事選などでは立民と共闘していたはずの「国民民主党」や連合は、都知事選では「静観」どころか対立候補である「小池知事」側を実質全面支援してしまう、という、わりと「四面楚歌」感の漂う寂しい状況に陥ったようにも見える。

真琴「結局、蓮舫の味方は【立憲共産党+社民】だけ、みたいな構図ですねぇ」

翔子「この寂しい実態?で蓮舫陣営が『オール東京()』とかドヤ顔で僭称?しちゃってるのは正直『かなり痛い』感じですけど」


ま、そうした状況だったので、5月の頃から既に共産党からも蓮舫サイドからも「支援(支持)をして欲しい」という要請(ラブコール)が「れいわ新選組」にはされていた?模様。


にも関わらず、れいわは結局は蓮舫への支持や支援を拒否して「静観」という決定。

この件で蓮舫陣営や支持者からは「どうして?何故?おかしいよ!」といった、かなりの「失望」や「落胆」の声も多数挙がっている模様。

真琴「れいわが『私たちは野党共闘にはくみしない!』と断言しちゃったのは、『野党共闘で政権交代を実現しよう!』と主張している左翼側の人達から見るとショックでしょうね」

更にれいわは、国政でも内閣不信任決議案の採決で「野党第1党の戦っているふり、茶番には付き合えない」と豪語して採決を棄権、という言動をしている。

不信任案は「茶番」 棄権のれいわが声明
2024年6月20日 共同通信

 


翔子「野党第1党って、立憲民主党のことですよねぇ」



■れいわ新選組が今回蓮舫を支援しない理由の考察

れいわが今回、蓮舫を支援しない理由は何か?

山本太郎が記者会見で理由を一応説明しており、「候補者の政策が薄味だから」みたいなことを言っているが、正直「理由がイマイチ腑に落ちない」と疑問に感じている人も多いのではないか?

真琴「確かに、『なんか嘘っぽい理由説明?』という感覚は、聞いていてありました」

うむ。わりと「謎」な感じは実際ある。違和感がある。

そしてこの「謎」の表向きの「解」としては、一番は「立民に対するれいわの不信感」ということになるのだろう。

当ブログの「その141」でも考察した「減税路線か増税路線か?」というようなテーマでも、立民とれいわの間には明確に溝があるのは事実。

 


が、そのような「いい子ちゃん的」な解とは別の解?も本件には実はありそう?で。

そんな「身も蓋もない解」について、思考実験的な仮説としてこの「謎」を解き明かしてみたい。



■この「謎」に対する「身も蓋もない解」という思考実験

立憲共産党の支持者や政治家達の一応の基本スタンスは、【左翼4政党(立憲、共産、社民、れいわ新選組)で野党共闘して何としても政権交代を実現しよう!】というものであろう。

つまり、【政権交代】こそがこのグループ共通の最優先の目的・ゴールであると。この4政党はその共通目的を共有し一丸となって戦う仲間であると。立憲共産党サイドは概ねそのように認識していたと考えられる。

だからこそ、今回のれいわの都知事選対応に「どうして?何故?おかしいよ!」と疑問や失望、違和感を感じているのだろう。

しかし、その認識は果たして本当に正しかったのか? 実はその認識は何か根本的に錯覚しているのではないか? それが違和感の原因なのではないか?

そうした疑問をここで提示したい。

翔子「錯覚? 彼らは一体何を錯覚しているのでしょうか?」

あくまで一つの仮説ではあるが。

左翼4政党のうち、立憲、共産、社民の政治家や支持者達は、一応は【政権交代】が最優先の目的・ゴールであると確かに考えているのかもしれない。

しかし「れいわ新選組」だけは全く違っていて。この党の政治家や支持者達は、実は全く別の方向を向いているのではないか?

真琴「じらさないで早く教えて下さい!」

「れいわ新選組」の「最優先の目的・ゴール」は、実は【政権交代】などではなく、あくまでも【山本太郎を総理大臣にすること】なのではないだろうか。

翔子「!!!!」

一つには「党代表」に対する「支持者の思い入れ」の違い。

たとえば立憲民主党の党代表は泉健太である。しかし、立憲民主党の支持者から、泉健太を熱烈に支持したり絶賛したりするような声はあまり聞かない。むしろ「党支持者からも批判の声ばかり」ではないだろうか?

真琴「確かに立民では、党支持者から今の代表(泉健太)に対する辛辣な酷評の声はかなり多い印象です」

これは自民党も同様で。岸田首相に対しては、今は「自民党支持者からも批判の声ばかり」という印象がある。

ま、プロ野球などでも「チームのファンも、自軍の監督に対しては酷評の声ばかり」というのは日本では「いつものこと」であって、それ自体は「普通のこと」とすら言えるかもしれん。



しかしこの点について、れいわ新選組だけは全く状況が異なっており。

「れいわ新選組の支持者=山本太郎の支持者」と言い切っていいくらい、「党代表」を熱烈に支持・絶賛する声が異様に多い。それがれいわ新選組の特異な点といえよう。

そしてその支持者達は皆、一様に「山本太郎を総理大臣に!」と連呼している。その熱量?は凄まじく、熱狂的を超えて「狂信的」とすら感じるレベルで。

言ってしまえば、れいわ新選組は「山本太郎の個人政党」みたいな側面が今も非常に強い訳だ。

翔子「確かにれいわ支持者って、Xのポスト等でも【#山本太郎を総理大臣に】のハッシュタグをドヤ顔で欠かさず付けてるような人がかなり多い感じです」


そしてマスコミ等の最近の「総理になってほしい人」ランキング(アンケート調査)でも、(小池百合子や橋下徹を除外すれば)野党系の政治家の中で最も高順位にいるのはほぼ毎回、山本太郎である。泉健太や吉村洋文よりも上。ちなみに蓮舫はほぼランキング圏外だったような。これはれいわ新選組が「誇っていい点」ではあろう。

山本太郎本人も、その支持者達も、この点を「強烈に自負している」ように見える。

つまり、【れいわは政党の規模は小さいが、政治家個人として「左翼4政党」の中でナンバーワンは山本太郎である!】と。【政権交代が実現した場合に首相に相応しいのは、当然ながら山本太郎に決まっている!】と。

れいわ陣営からはしばしばそんな「自負心」をバリバリと感じる訳で。

 

真琴「宇宙!スペース!ナンバーワン!^^」

(なのに宇宙の地形適応はB…)

こうした事情もあり、れいわ陣営の考える「政治家の序列」では、「山本太郎>>(超えられない壁)>>蓮舫」になるのが「当然!」と考えているようなフシがある。



■【山本太郎を総理大臣に】を最優先に考えた党利党略は?

ところが、こうした「れいわ陣営の現状認識?」にとって、今回の2024都知事選は「微妙な問題」を突きつけてしまっているのではないか。

忘れてはいけないのは、前回2020都知事選に山本太郎が出馬しており、その時も小池百合子との対戦で、「山本太郎の得票は65万票」という数字が記録として残っている点。

もし今回の2024都知事選で、蓮舫が(小池百合子に勝てないにしても)230万票とか取ってしまい、「蓮舫は大善戦!惜敗だったね!」みたいな結果が出た場合に、どうなるのか。


蓮舫  :2024都知事選で小池百合子と対戦して得票が230万票
山本太郎:2020都知事選で小池百合子と対戦して得票が65万票

みたいな客観的な数字を並べて傍から見ると、第三者には果たしてどう見えるだろうか?

真琴「山本太郎って実はわりと雑魚?『蓮舫>>(超えられない壁)>>山本太郎』みたいな感じ?」

うむ。やはり、そんな雰囲気になるのは実際不可避だろう。

勿論、色々と言い訳の余地はあろうが、得票でもし蓮舫に3倍も4倍も差をつけられてしまったら、もはやそんな言い訳とか関係なく、序列として【蓮舫の方が山本太郎より断然上】【山本太郎はわりと雑魚】みたいなイメージに見えてしまうのは、実際そうではないだろうか。

そしてそんな事態が現実に発生してしまうのは、「ナンバーワンは自分!」という強烈な自負心を持っている山本太郎にとっては「かなり面白くない」展開ではないか。我慢ならないくらいではないか。

これは本人だけでなく、れいわ支持者にとっても同様で。

「左翼4政党」の中の政治家の序列として、「山本太郎は蓮舫より遥かに格下の雑魚!」みたいな位置づけにもしなってしまったら、【山本太郎を総理大臣にする!】という「彼らの最優先の目的」が遠く離れてしまう。それでは本末転倒である。

そうであるならば、れいわ陣営にとっては「そんな展開だけは絶対に避けたい!」と考えても何ら不思議はない。彼らが「独自候補の擁立」に今回、最後までこだわり続けていたのも、そのあたりが理由ではないか。

翔子「なるほど。確かにそうですね」

つまり、「最優先の目的・ゴール」が実は他3党とは全く別?であるれいわ新選組にとって、党利党略を計算した上でのベストの都知事選対応は何か?

身も蓋もない考察をすれば、れいわ陣営にとっては「蓮舫が今回極力票を取れない惨敗展開の方がむしろベスト」という要素すら実際あり得る訳だ。

そうであるならば、れいわや山本太郎にとって「蓮舫の支援」などあり得ない愚策。

れいわ新選組が今回蓮舫を支援しないと決定したのは、彼らからすれば「おかしい」話では全くなく、党利党略に沿った「当然の選択」とすら言えるのではないか。

勿論、そんな「裏の理由?」など表には出せないので、山本太郎はテキトーに「表向きの理由?」を別にでっち上げて会見では喋ってたり?

真琴「なるほど。そういう事情・背景を考えれば、今回のれいわ新選組の対応は謎でも何でもなく、普通に党利党略の結果に見えてきますね。会見での理由説明がやたら嘘っぽかった?のも納得です」

ま、これはあくまで一つの仮説。ただの思考実験に過ぎないが。などと言ってみるテスト。