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【新日本ファクトチェックセンター】

今回は主に海外の話。

最近は世界中で暴動・紛争・治安悪化のニュースがひっきりなしに報道されている。

真琴「最近日本を訪れる海外旅行者が異様に多いのは、円安の影響だけでなく『世界でも貴重な、今もかなり治安の良い先進国』という要素の影響も大きいのでしょうね」

うむ。ニューヨーク、サンフランシスコ、パリ、ロンドン、といった欧米の名だたる大観光地も、今や『海外女性が初訪問でも安心して旅行できる』とはやや言い難いくらいに治安が悪化してしまった。



■ニューカレドニアで非常事態宣言(暴動が拡大)

最近のニューカレドニアの暴動も、そんな治安悪化の一例だろう。
既に仏政府は本件で非常事態を宣言し、暴動による死傷者も多く出ている状況で。

翔子「この暴動の原因は何なのでしょうか?」

住民への地方選挙権拡大の憲法改正案を可決したことへの一部国民(独立派)の反発・抗議活動が過激化して、13日頃から銃撃や略奪が始まった、と言われている。

しかし、実際には「外国勢力」による介入・扇動により、人為的に緊張を煽るような悪意の活動の可能性・懸念も指摘されている。

ニューカレドニア暴動受け、仏政府がTikTok禁止 扇動を阻止 外国の干渉への懸念も

 

>仏政府は15日夜(現地時間16日朝)、非常事態を宣言し、中国系動画投稿サイトTikTok(ティックトック)の使用禁止を発表した。

>ルモンド紙(電子版)によると、治安関係筋はTikTokを遮断する背景として、外国が緊張を煽るために介入し、偽情報を流す懸念があると打ち明けた。中国やアゼルバイジャンに言及したという。アゼルバイジャンは対仏関係が悪化した昨年秋、パリ五輪開催に反対する偽情報を流したと報じられていた。

真琴「つまり中国やアゼルバイジャンが、意図的にニューカレドニアの暴動を扇動している?」

 

少なくとも、そうした懸念をフランス政府が抱いているのは事実だろう。

生姜教授「くだらない極右の陰謀論、フランスの責任転嫁だ!証拠もないのに闇雲に中国を悪者化するな!」

さて。その手の中国擁護?の意見もネット等の一部には散見されるが、それはどうだろうね?

もし「フランスが今回の暴動後に、突然急にそんなことを言い出した」ということであれば、「ただの陰謀論・責任転嫁」という見方もあるいは妥当かもしれん。

しかし現実はそうではない。フランスの政府系シンクタンクは、数年前から【中国が潜在的な敵の弱体化を狙い、沖縄と仏領ニューカレドニアで独立派運動をあおっている】と指摘・警告していた訳で。


仏軍事研究所が「中国の影響力」報告書 沖縄を標的と指摘
2021/10/5 産経新聞

 

>フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)はこのほど、世界で影響力拡大を狙う中国の戦略について報告書を発表した。中国が潜在的な敵の弱体化を狙い、沖縄と仏領ニューカレドニアで独立派運動をあおっていると指摘した。


仏領ニューカレドニア独立運動に中国の影 高まる緊張
2021年11月17日 日経新聞

 

>深まる米中対立の余波が「天国にいちばん近い島」として知られる仏領ニューカレドニアにも及んでいる。フランスは太平洋での影響力を保とうとニューカレドニアの残留を望むが、西側諸国の対中包囲網を警戒する中国が独立派を支援しているとの見方も浮上する。


こうした以前からの動きがあった上で、仏ルモンド紙は今回の暴動の件で「外国勢力の介入」に言及し、具体的な国名として中国やアゼルバイジャンの名を挙げている。



■世界中でTikTok禁止の動きが拡がっている

もう一つ注目すべきは、非常事態宣言に伴い仏政府がニューカレドニアでTikTok(ティックトック)の使用禁止を発表した点。

翔子「動画投稿サイトなら他にも多数(YouTube等)あるのに、何故『TikTokだけ』が全面使用禁止とされたのでしょうか?」

そこよな。
仏政府の意図が、もし単に「暴動関連の動画による情報拡散を遮断したい」という「情報統制」的な(中国共産党的な)ものだけなのであれば、『TikTokだけ』禁止にしてもあまり意味がないはずで。

真琴「YouTube等では今も普通に動画配信が許されてますから、情報統制なんてできませんね」

では、何故『TikTokだけ』禁止なのか。

その理由はTikTokが「中国系動画投稿サイト」であり、セキュリティ面でも大きな懸念がある。やはりその1点に尽きるだろう。


そもそもTikTokは、中国の2017年施行の国家情報法に基づき、ユーザーの個人情報が中国政府と共有されることが深刻に懸念されている。

事実として世界各国で「政府端末でTikTokの使用を禁止」する動きは顕著に出てきている。


各国で続く政府端末でのTikTok禁止、その影響は


>米国以外でも、各国はTikTokに対して独自に対処している。インドは、世界で初めてTikTokを含む中国製アプリを全面禁止した。オーストラリア、ベルギー、英国、カナダ、フランスと欧州連合は、それぞれの政府端末でTikTokの使用を禁止している。


言うまでもないがフランスのマクロン大統領は仏リベラル派・左派の代表格の政治家である。

そのマクロン政権が以前から「政府端末でTikTokの使用を禁止」を指示し、今回の暴動に伴う緊急事態宣言によりニューカレドニアでは「TikTokの全面禁止」を発表した。

これは当然ながらIRSEMの報告書に基づき、マクロン政権がニューカレドニア暴動でも「背後に中国の扇動がある」懸念を重大視したからこその決定、と見るべきだろう。

無論、多くの物事の要因は必ずしも単一ではない。「ゼロか百か」みたいな極論に安易に走るべきではない。

ただ、暴動や過激なデモの「表向きの建前・うわべのスローガン」だけを盲信して、その裏にある「外国勢力等による邪悪な策謀・意図」を疑わないのも賢明な姿勢ではない、とは言えるだろう。
「この世で綺麗事?を声高に叫ぶ連中の大半はダブスタのペテン師だ」、と眉に唾をつけてから話を聞く、くらいでちょうどいいのかも。



尚、米国でも「TikTok禁止」の動きは加速している。
米国では以前からの「政府端末でのTikTokの使用禁止」に加え、更に下記のような「TikTok禁止法」が先日成立した。


米、TikTok「禁止」法が成立 バイデン大統領が署名 9カ月以内の売却を要求
2024/4/25 産経新聞

 


>中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」について、運営側が米国での事業を期限内に売却しなければ、全米でアプリ配信を禁じる法案を超党派で可決した。下院は既に通過しており、バイデン大統領が24日に署名し、同法が成立した。米国でティックトックが禁止される可能性が高まった。


これは議会で超党派で可決され、バイデン大統領も正式に署名して成立したものである。

翔子「米リベラル派のトップであるバイデン大統領も、TikTokの危険性や禁止の必要性を正式に認めたのですね」

こうした米バイデン政権や仏マクロン政権の決定に対し「極右の陰謀論!」などと陳腐なレッテルを貼るだけなら小学生でもできる。

しかし、自分の気にいらないものには何でもかんでも闇雲に「極右の陰謀論!」などとレッテルを貼るだけの盲目的な狂信者?達の主張に果たして説得力があるのだろうか。



■米大学の反イスラエルデモ激化の背景にも中ロの情報機関による世論分断工作がある?

暴動や治安悪化という点では、ニューカレドニアだけではない。

米国各地の大学で激化する「反イスラエルデモ」も、背後に中ロの情報機関による工作活動・扇動が指摘されている。


米大学デモ激化、背景に中ロの情報戦 NYタイムズ報道
2024年5月3日 日経新聞

 

>米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は2日、米国各地の大学で反イスラエル抗議活動が激化している背景に、中国やロシアの情報機関による世論分断工作があるとの分析記事を掲載した。過激化するデモへの取り締まりを批判する投稿や動画をSNS(交流サイト)で拡散することで、大統領選を前に世論の対立を深める意図があるとしている。

>同紙が複数の米国内の研究機関の分析結果として報じた。

真琴「ここにも中国らの邪悪な策謀の影が?」

詳細についてはまだ不明。しかしかなり左派寄りのメディアであるNYタイムズ(朝日新聞と提携)ですらそうした分析記事を掲載した、という時点で、これも「極右の陰謀論!」などと考えるのは無理のある話で。

「反イスラエル抗議デモの背後に中露の工作・扇動がある」というのは、それなりに確度の高い話なのではないかと考えられる。


更に言えば、こうした各大学の「反イスラエル抗議デモ」は、表向きは「学生達が怒りの声を挙げている!」という体裁をとってはいるものの、実はその半数は「大学とは全く無関係な人達」であったことも既に判明している。以下記事参照。


NYコロンビア大などで逮捕の半数“大学と無関係”「学生たちに非合法のデモ方法を教えた」市長が批判 反イスラエルデモの逮捕者2000人以上に
2024年5月4日 TBS

 


翔子「この手のデモで『大学生達が怒りの声を挙げている!』という看板に偽りあり、というのが実態ですかね」

この「看板に偽りあり」というのは日本のデモも同じ(というか日本の方が酷い)で。

たとえば沖縄の反基地デモなどを見ても、「反基地抗議デモで暴れて叫んでいるような人達の大半は地元住民ではなく、実は本土(や朝鮮籍や中国籍)の極左活動家達である」というような実態については当ブログの「その6」でも考察している。

 

 

真琴「日本のオールドメディアは(産経以外は?)そのへんの実態を必死に隠蔽して闇に葬ろうとする側ですからねぇ」



■中国の工作員に活動家が扇動されているのは日本も同じ

ここまでは主に海外の話。
しかし中国らによる扇動工作は、日本にとっても決して他人事ではない。

ニューカレドニアの件で前述した「フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)の報告書」の記事では、日本について以下のような点も言及されている。


>沖縄への関与は、中国にとって「日本や在日米軍を妨害する」意味を持つと指摘。沖縄住民には日本政府への複雑な気持ちが残り、米軍基地への反発も強いため、中国にとって利用しやすい環境にあるとした。中国が独立派を招いて学術交流を促したり、中国人が米軍基地近辺で不動産投資を進めたりなどの動きがあると列記した。

>中国は独立派と同様に、憲法9条改正への反対運動、米軍基地への抗議運動を支援しており、その背景には日本の防衛力拡大を阻止しようという狙いがあるとも指摘した。


翔子「中国は独立派と同様に、憲法9条改正への反対運動、米軍基地への抗議運動を支援しており、その背景には日本の防衛力拡大を阻止しようという狙いがある、と」

海外からの工作扇動やフランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)の報告書については、当ブログの「その15」でも考察している。

 




フランス国防省、日本のヤバさを解説した650ページの研究結果を公開 「沖縄独立・憲法九条・基地反対の扇動は中国の工作員」 
2021年10月7日 togetter

 


真琴「日本の偏った左翼デモや政治運動への中国の扇動介入について、日本のポンコツメディア達よりフランスの方よほど正確に把握していますね」


フランスだけではない。
以前スイス政府が発行した「民間防衛」という冊子にも、以下のように書かれている。
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翔子「海外では40年以上も前から、【海外勢力(中国等)による工作活動・扇動活動】の大きな脅威は現実のものとして認識されていたのですね」

平和ボケしまくっている日本との意識のレベルの違いは歴然。

真琴「日本国民もこうした脅威に対する意識を早急にアップデートしなければいけませんね」