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■紀藤正樹が(いつものように)またおかしなことを言っている模様

サッカー日本代表・伊東純也選手が女性から訴えられた件について、「完全な部外者」であるはずの紀藤正樹がまたおかしなことを言って炎上し、変な釈明(になっていない?)をしている模様。

尚、この訴訟案件について「伊東純也選手」と「自称被害女性」の「どちらの主張が真実であるか?」という点については当ブログでは「判断保留」であり、断定はしていない。

あくまで、関連する第三者の発言や訴訟の妥当性についての考察である。


まず、以下の記事を見てほしい。Yahoo版と元記事と両方載せている。

紀藤弁護士「『スラップ訴訟と決めつけ』ているわけではありません」伊東純也側の民事訴訟めぐり

 

 

特に問題となった(炎上元の)ポスト(ツイート)は以下である。

 

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上記画像のポスト(ツイート)で特に気になる文言が以下の3点である。

①赤枠:【典型的なスラップ類型の訴訟です】

②青枠:【事実を見抜くプロであるメディアが】

③緑枠:【今後の同種の市民活動を萎縮させる懸念があります】




■①SLAPP(スラップ)とは何か?

まず、SLAPP(スラップ)とは何だろうか?

日本語では「恫喝訴訟」「威圧訴訟」などと訳されることもある。以下のサイトに詳細な解説がある。

SLAPPとは

 


>(SLAPPとは)「公に意見を表明したり、請願・陳情や提訴を起こしたり、政府・自治体の対応を求めて動いたりした人々を黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる 報復的な民事訴訟のこと」



「公に意見を表明したり、請願・陳情や提訴を起こしたり、政府・自治体の対応を求めて動いたりした人々」というのは、典型例で言えば「行政・自治体の事業の会計に不審な点があるとして住民監査請求や住民訴訟を行う住民(市民)」みたいなケースである。


翔子「東京都の若年女性支援事業の(委託先のColabo等の)会計に疑義を唱えて住民監査請求や住民訴訟・追及当を行っている暇空茜氏や音無ほむら氏は、まさにそのケースですね」

うむ。で、その「暇空茜氏や音無ほむら氏ら」のような「物言う住民(市民)」を「黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる 報復的な民事訴訟」みたいなのが、「典型的なスラップ」と言える訳だ。

真琴「『リーガルハラスメント』というパワーワードを一躍有名にした、議員会館を使ってのあの『Colabo弁護団の恫喝会見』や、当ブログその101で考察した『100名超の超大弁護団』での対個人恫喝訴訟なんかが【物言う住民(市民)を黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる~】に該当しそうですね」


まさにその通り。

 

 


「SLAPP(スラップ)とは何か?」という大まかなイメージはここまででも概ね把握できたのではないだろうか。


もう少し細かく具体的な【類型】を見てみたい。
以下は上記SLAPP解説サイトからの引用である。



プリング・キャナン教授の定義を元に、SLAPP(スラップ)の条件を箇条書きにする。

① 刑事裁判に比べて裁判化が容易な民事訴訟。
② 公的問題が公の場所での論争になっている。
③ 訴訟の原告・被告はその公的論争の当事者である。
④ その公的問題について公的発言をした者(主に批判者や反対者)を標的に提訴される。
⑤ 提訴する側は、資金・組織・人材などの資源をより多く持つ比較強者。
⑥ 提訴される側はそれらの資源をより少なくしか持たない比較弱者。
⑦ 提訴によって、金銭的、経済的、肉体的、精神的負担といった裁判コストを被告に負わせ苦痛を与える。
⑧ こうした提訴による苦痛を与えることで、原告は被告の公的発言を妨害、抑止する。
⑨ 訴えられていない潜在的な公的発言者も、提訴を見て発言をためらうようになる。
⑩ 提訴した時点で批判者・反対者に苦痛を与えるという目的は達成されるので提訴側は裁判の勝敗を重視しない。


引用はここまで。



■サッカー日本代表・伊東純也選手のケースについて考察

上記のプリング教授の定義に従い、今回の「伊東純也選手側が虚偽告訴容疑で逆告訴(&民事訴訟)した」ケースがSLAPP(スラップ)の条件を満たすのか否か? を検証してみたい。個別の考察結果は以下。


①:X。今回伊東選手側は刑事告訴を行っている。

②:X。本件は(環境問題などの)公的問題・公的論争は関係なく、あくまでごくプライベートな私人間の問題に過ぎない。

③:X。前述②の通り、本件は公的論争とは無関係なので原告も被告も「公的論争の当事者」などではない。

④:X。前述②の通り、本件は公的問題とは無関係なので提訴の対象者は「公的発言をした者」などではない。

⑧:X。前述②の通り、本件は公的問題とは無関係なので「被告の公的発言を妨害、抑止する」効果など全く期待できない。

⑨:X。前述②の通り、本件は公的問題とは無関係なので「潜在的な公的発言者も、提訴を見て発言をためらうようになる」効果など全く期待できない。

⑩:X。客観的に見て今回、提訴側(伊東選手側)は「名誉回復」「損害賠償」を主目的としていると考えられ、裁判の勝敗を重視していると見做せる。


翔子「10項目の内の7項目がX。大半がXということ。一体これのどこがSLAPPなのでしょうか?」

うむ。


当該サイトの詳細解説を見ても「メディアの取材源のみを訴える」というのは「SLAPP(スラップ)の条件」となる直接的な要素では全くなく、「単なる訴訟戦術の一つ」に過ぎないと考えられる。

紀藤正樹が「その訴訟戦術を採用した=この訴訟は典型的なスラップ類型!」などと一方的に決めつけるのは「ただの悪質なレッテル貼り、印象操作」でしかないような。

この紀藤正樹の主張は、全く同意できないおかしな主張である。

 

 

伊東純也選手の訴訟は典型的なスラップ類型の訴訟だがスラップ訴訟と決めつけているわけではないと紀藤正樹弁護士

 




■②【事実を見抜くプロであるメディアが】とかこの人一体何言ってんだ?

続いて②
真琴「これも何か凄くトートツな文言に見えますが、これは一体何なのでしょうか?」

当ブログでは再三指摘しているが、日本のメディア側の捏造報道、デマ報道の多さは枚挙に暇がないほどで。当ブログでは第一回記事から、既に東京新聞の悪質なデマ報道について考察していた。

たとえば「その102」等でも何度か考察した草津町ヘイト運動問題。

 


当初から多くのネット民から冷静な指摘が出ているにも関わらず、朝日新聞だの週刊金曜日だのといった四流以下のポンコツメディアが事実を全く見抜けずに、おかしな「草津町ヘイト運動」に加担して町長や住民らを不当に誹謗中傷・ヘイト発言しまくっていた深刻な問題である。


単に「メディアが」と言えばいいところを、わざわざ「事実を見抜くプロであるメディアが」などと違和感バリバリの文言を紀藤正樹が意図的に差し挟んで必死にメディアを持ち上げ、懸命にヨイショする理由は何か?

周知の通り、紀藤正樹は「特定メディアの望み通りの主張をするマスメディア御用弁護士」のような立ち位置でテレビなどのメディアに重宝されて出まくっていた訳で。

結局のところ、これは『紀藤正樹が今回もマスメディアに必死に媚を売って太鼓持ちしているだけ』なのだと推定される。



■③【今後の同種の市民活動を萎縮させる懸念があります】とは?

続いて③
翔子「これも違和感バリバリです。何でいきなり【市民活動】とかのワードが出てくるのでしょう?」

まさに。「自称被害女性が伊東純也選手を訴えた」という「あくまで私人間のプライベートな訴訟問題」が、さも「市民活動」であるかの如き紀藤正樹の発言であるが。

市民活動とは何だろう? 以下のサイトに定義が載っている。

 

>「市民活動」とは、「不特定かつ多数のものの利益の増進を目的とし、市民が主体となって社会的な課題の解決に取り組む、営利を目的としない活動」をいいます。


つまり「市民活動」とは、「不特定かつ多数のものの利益=公益」に関わる案件が「大前提」ということ。

もし「伊東純也選手が不当な公金チューチューをしていた!」みたいな点についての問題提起の案件や訴訟であれば、暇空茜氏の活動などと同種の【市民活動】と言えるかもしれない。

しかし少なくとも現状、表に出てきている自称被害女性側の言い分を見る限り、本件でそうした「公益に関わる」要素は1ミリも散見されないように見える。純粋に個人と個人の間の訴訟問題に過ぎない。

なので紀藤正樹の③の発言についても、普通のまともな人から見ると「ハァ? コイツいきなり何アホな事言ってんだ?」と首を傾げるしかないような「トンデモ発言」でしかないだろう。



■約2億円という要求額は妥当か否か?

今回伊東純也選手側は、訴訟相手側女性2人に対し約2億円の損害賠償を求める訴訟を逆提訴している。

ネット上で紀藤正樹を擁護する?一部の人々からは、「約2億円なんて普通の一市民に払える額では全くなく、よって不当に高額を要求するSLAPP(スラップ)である!」みたいな声も挙がっている模様。

その点についても考察したい。

まず、そうした「2億円を疑問視する人々」が勘違いしていると思われるのは、損害賠償というのはあくまで「実際に受けた(受けるであろう)被害の大きさに応じた被害額の補償」が大原則である、という点。

提訴する時点で「加害者の支払い能力の高低」を考慮する義務などは、提訴する側にはないのである。

真琴「ていうか加害者の支払い能力の詳細なんて、提訴時点では不明なケースの方が多いでしょうしね」

具体的に考察すると。

訴訟相手の女性2人は芸能事務所に所属する「プロの芸能人」だと言われている。
ここではそれが「事実」だという仮定を前提として考察すると。

「プロの芸能人」の年収や資産等は、普通は公表はされていない。

もし「相手の支払い能力がまだよくわからない=妥当な請求額がわからない=提訴できない」みたいなことになるなら、大半のケースで「実質・提訴不能」みたいな状況に陥ってしまうであろう。

翔子「そんな馬鹿な話はあり得ませんよね!」

もちろん。

今回であれば、伊東純也選手側は損害賠償として「実際に受けた(受けるであろう)被害の大きさに応じた被害額」を要求するのが「正しい」姿勢だと言える。

で、実際の被害はどれくらいなのか?

伊東純也選手は間違いなく「世界レベルのサッカー選手」であり、今はフランスの一部リーグ(リーグ・アン。世界トップレベルのリーグの一つ)のレギュラー選手として公式戦にも頻繁に出場している。勿論(この騒動が起きるまでは)日本代表選手にも選ばれていてアジアカップでも活躍していた。


2023年伊東純也の年俸は約1億8700万円!デビューから推移が凄い!4つのクラブで稼いだ金額はいくらなの?

 


このフランスリーグの年俸だけでも伊東選手は2億円近い水準である。

真琴「5年で10億円近いですね」


更に彼はフランスの現職大統領夫人が「伊東純也をフランス代表にしなさいよ」と名指しで推薦するくらいの超一流選手である。

仏大統領夫人「伊東純也をフランス代表にしなさいよ」、デシャン監督「いや、うん…」

 


更にスポンサーからの契約でも高収入を得ている。

伊東純也“2億円反撃訴状”を独占入手!マネジメント会社から2400万円、プーマからは1億4000万円超の損害賠償が

 



今回の性加害疑惑?の件で、プーマ社からだけでも1億4000万円超の損害賠償が要求されているようで。

もし「相手の女性2人」の「虚偽告訴」であれば、日本代表としての機会損失やスポンサーからの損害賠償等で、2億円を軽く超えるくらいの「実被害」になるのではないだろうか?

そう考えれば今回の伊東純也選手側による「約2億円」という要求額は決して「威嚇や恫喝の為に不当に高くハッタリ的に釣り上げた金額」などではなく、もし女性側が虚偽告訴だったのであれば「実被害相当額」としてあくまで妥当な水準と推定される。



■「新潮を訴えない」伊東選手側の訴訟戦術は妥当か否か?

最後にこの点。

今回、「自称被害女性」は伊東選手の件で、最初に刑事告訴をしている。

更に、どうやらそのときの警察とのやり取りを女性側がこっそり録音?し、即座に新潮にこの話を持ち込んでその録音データも新潮側に提出した?らしい。

この時点で、ちょっと「普通じゃない」印象は正直ある。刑事告訴して無事に受理されたんなら、被害者としては普通は素直に訴訟で白黒つければいいのではないか?

何故そこで「警察とのやり取りを女性側がこっそり録音?」したり、「即座に週刊誌にこの話を持ち込む」必要があるのだろうか?

翔子「そこはかとなく【計画的犯行?】みたいな雰囲気も少し漂ってますね」

そして持ち込まれた週刊誌(新潮)側は、あくまで「性加害事案として刑事告訴された?件」としてこの件を報じている。

この点が松本人志の件とは全く異なる。

真琴「何故、そんな展開になっているのでしょうか?」

これは被害女性側(or新潮側)による意図的且つ狡猾な訴訟戦術の可能性がありそうで。


昨今、この手のスキャンダル案件は「週刊誌やメディアの『書き得』」などと指摘されることも多いが、「真実相当性」を逃げ道として記事の中身が真実でなくてもメディア側が責任を回避or大幅軽減できるケースがあるようで。

翔子「どういうことです?」

今回で言えばもし「自称被害女性の刑事告訴の内容が虚偽告訴だった」と仮定しても、「刑事告訴をした」という点だけは事実である訳で。

メディア(新潮)としては「真実相当性」を争点にすれば、「我々は被害女性を自称する者が刑事告訴をした、という事実とその内容をただ報じただけである。それがまさか虚偽告訴だったとは知らなかったし、我々は十分な取材活動は行っていた。我々もまた、騙された被害者なのである!」みたいな主張をすることで、責任を回避or大幅軽減できてしまう可能性が高い。いわゆる『書き得』である。

真琴「何それ酷い!!」

そうした、メディア・週刊誌側の「姑息な訴訟戦術」に対抗する手段として、不当に訴えられた人物が、相手側の「真実相当性」による逃げ道を使わせずにきっちり責任を負わせる(勝訴する)為の対抗訴訟戦術の一つが、この「自称被害者だけを被告にする」という訴訟戦術の模様。

 

また、サッカー選手などの一流アスリートが「能力を高く売れる」ピーク期間は極めて短い。伊東選手も現在30歳であり、名誉回復までに5年とか掛けていたら取り返しのつかないことになるので、「早期決着(早期の名誉回復)」を目的として今回争点や対象を絞った訴訟戦術を採用したことには十分な合理性がある。それは決して卑怯でも何でもない当然の権利行使だと言えよう。

翔子「なるほど、そういう構図なのですね」

一方、メディア側としては「これまでは嘘でもデマでも、「真実相当性」を争点・逃げ道にすればいくらでもスキャンダルをでっちあげてボロ儲けのローリスク『書き得』天国状態!」みたいな感じだったのが、それに対抗できる相手側の有効な訴訟戦術が出てきてしまうのは非常に都合が悪いだろう。


紀藤正樹や江川紹子などの「マスメディア御用コメンテーター()」のような連中が、本件で(無関係な第三者のはずなのに)「メディアも合わせて訴えるのが筋!」と必死に訴えて「伊東選手側のやり方は卑劣!」みたいな印象操作に何故か全力投球?なのは、つまり「そういう理由」が大きいのかもしれんな。


実際、伊東選手側の加藤博太郎弁護士は、そのような類の理由を以下記事で説明している。

民事で女性を「2億円提訴」…!伊東純也側の「訴状」を全部見てわかった、松本人志騒動との「大きな違い」

 

>「週刊新潮も女性に騙されたのでしょうし、報道機関を訴えても『取材はちゃんとした』という反論で逃げられてしまう恐れがあるのです」

 

 

そもそも、この訴訟合戦、最初に仕掛けてきたのは「自称被害女性」の側であって、彼女らも一応は「プロの芸能人」なのであれば、ただ「伊東選手側に訴訟し返された」だけで「これはスラップだ!筋が通らない!」などと一方的に被害者面できるものでもないだろう。

それはただの「甘え」じゃないの? という気もする。

 

少なくとも、伊東選手側は本件で今、「社会的抹殺」に近いくらいのトンデモない深刻な被害(影響)を受けている訳で、もし「不純な軽い気持ちで虚偽告訴」などをしたのであれば、その「冗談では済まない酷い人権侵害(ほぼ殺人)」をした事の責任として、相応の報いを受けるべき(一生掛かってでも償うべき)ではあろう。

 

真琴「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」