とある金曜日。
今すぐ電話したい衝動にかられたけど
ぐっとこらえてケータイを閉じた。
それから5分ほど後、
のど乾かない?
私が答える前に
車はコンビニの駐車場に入って行った。
エンジンが切られ
シートベルトを外してたら
あれっ?
珍しく焦っている口調。
財布無いわ。
えっ。
計画変更。
車内をくまなく探す。
見つからない。
悪いんだけどさ、公園まで戻っていい?
もちろんです。
再び引き返す。
とある金曜日。
今すぐ電話したい衝動にかられたけど
ぐっとこらえてケータイを閉じた。
それから5分ほど後、
のど乾かない?
私が答える前に
車はコンビニの駐車場に入って行った。
エンジンが切られ
シートベルトを外してたら
あれっ?
珍しく焦っている口調。
財布無いわ。
えっ。
計画変更。
車内をくまなく探す。
見つからない。
悪いんだけどさ、公園まで戻っていい?
もちろんです。
再び引き返す。
とある金曜日。
車に乗り込み
来た道を戻る。
彼氏はいるの?
初めて私自身に踏み込んだ質問。
いたら名波さんの誘いにのってませんよ。
ふーん。
彼氏は要らないの?
猫宮さんの顔が浮かんだ。
私がそばにいたいと思える人が
私のそばにいてくれるなら
彼氏という肩書きにはこだわらないです。
へぇ。オトナだね。
強がってるだけですよ。
あっ、ごめん止まる!
黄信号に阻まれて急ブレーキがかかる。
名波さんの左腕が私の前に現れる。
急ブレーキを踏んだ時の名波さんのクセ。
結構好き。
大丈夫?
答える代わりに名波さんの左手を握ると
少し間が空いて
何?誘ってんの?(笑)
どうでしょうねー。(笑)
私は手を離し
膝の上から滑り落ちたカバンを拾う。
その時初めてケータイが光っていることに気付いた。
開くと着信履歴が半分ほど猫宮さんの名前で埋まっていた。
あれ 以来全く連絡なかったくせに。
どうして今更?
どうしてこのタイミングで?
とある金曜日。
そろそろ帰ろうか。
車を泊めた場所まで戻る。
行きはあまり気にならなかったけど
身長差のせいで歩幅が合わず
うまく並んで歩けない。
耐えきれなくなって名波さんのシャツの裾を掴む。
ん?
歩くの早いんですけど。
あぁ、ごめんごめん。
そう言って私の手を掴み
自分の手と絡める。
名波さんの歩調は少しだけ遅くなり
二つ並んだ影はゆっくりと進んでくいく。