踊る小悪魔 -21ページ目

踊る小悪魔

会社の先輩に恋をしました。

墓穴。


言ったら妹としてではなく一人の女の子として見てくれるかもしれない。


見てくれないかもしれない。


気まずくなるかもしれない。


都合の良い女になるかもしれない。


それでもいい?


何度も何度も考えながら

猫宮さんの「言ってみな」攻撃に応えられずにいた。


でもだんだんと開き直ってきて

いつかばれるんなら今言っても一緒じゃね?と思い始めた。


よし。


・・・どうやって言ったら伝わるんだろう。

あんまり軽く言って冗談に思われるのも嫌だしな。

かと言って本気で言い過ぎると向こうも困るだろうし

まだ私の中でもそこまで気持ちが高まってない。


再びうだうだしていたら


おにいちゃんに出来ることなら何でもするよ?


と言われたので


ゆっくりと抱きついて

唇に軽くキスをした。


こういうことです。


あからさまにキョトンとしている。


猫宮さんのことが、好きなんです。


あからさまに戸惑ってる。


だから言うの嫌だったんですよー。


とふざけてみても効果なし。


少しの沈黙の後で、猫宮さんはぽつぽつと喋り出した。


俺、彼女いるよ?


知ってますよ。


会社でも密会中にもあなたの口からお聞きしました。


え・・・いつから?


それは言えないです。


いいから。教えて?


GW明け 頃からですかね・・・

ぶっちゃけ研修で初めて会った時から気にはなってました。


再び沈黙。


・・・無理矢理聞き出す形になってごめん。

でも、言ってくれてありがとう。


気持ちはすごく嬉しい。


今日の事のせいで気まずくなったりすることはないからね。

これからもローソンには来るし

行く時は連絡するよ。


とりあえず拒否されることは無かったけど

やっぱりこのタイミングは失敗だった。

もう少し想いを育てたかった。


でも、好きだと思える人にキスできたから

後悔はしてない。

素直になれなくて。


やがて猫宮さんの電話が終わった。


おーい。起きろー


優しく揺すられる。


とても笑える気分になれず

寝起きが悪いふりしてごまかす。


どうしたの?元気ないね。


・・・眠いんです。


そっか。もう帰る?


帰りたくなかったから黙ってた。


え。どしたの?

明らかに元気ないよね。


気のせいですよ。


こんなやりとりを何度かしながら

どさくさに紛れて膝まくらしてもらったり

顔をキスするギリギリまで近付けてみたり。

それでも向こうの反応は

「どうしたの?」とあくまでも普通。


あげくの果てに言われたセリフ。


おにいちゃんに何でも言ってみな?


そこで察した。


完全に恋愛対象として見られてない。

葛藤。


土日は会わず

月曜は違う現場で

私が終わる頃にはすでに猫宮さんは退社してた。


火曜は同じ現場だったけど絡みはなく

猫宮さんが会社を出たのが遅かったし、雨だったので結局会わなかった。


月曜は私が電話をかけて

火曜は猫宮さんがかけて

何を話すわけでもないけど結局毎日喋ってて

想いは着実に募ってた。


水曜も現場は違った。

ローソンで会う事になった。

毎日顔を合わせてるのに、やっぱり二人で会うのは違う。

近づきたい。

触れていたい。

喋りながらもずっと考えていた。


途中で猫宮さんに男友達から電話がかかってきて

喋ってる間眠っているふりをしてたら

途中で頭を撫でられて、なぜだか泣きそうになった。

どうしてこんなに優しいのだろう。


いっそ言ってしまおうか。

でも、拒否されたら?

仕事でも気まずくなるし、この密会も無くなる。

それは嫌だ。


でも、受け入れられたら?

浮気。二股。セカンド。

向こうは最低男、こっちはダメ女。

その状況でも構わないほど好きか?

割り切れるか?


それに、話している間やたらと


おにいちゃんはねー、、、


とか


なんかあったらおにいちゃんに言いなね。


とおにいちゃん発言するし

今のところ下心を感じさせる部分はないし

ただ単に妹扱い?


寝ているふりを続けながら

頭の中はフル回転。