踊る小悪魔 -18ページ目

踊る小悪魔

会社の先輩に恋をしました。

長い一日。(午前編)


うちの会社、月末はいつも忙しいらしい。

特にこの月はどこの課も余裕がなく、

他県の事務所から応援を頼んだり

入社して2ヶ月の新人たちを戦力として数えるくらい。

社内では誰もが忙しい顔をしていた。


私たち新人にとっては

今まで研修でやってしてきた事を

教育係がつかない状態でやるだけ。

責任の大きさは違うけど

作業としてはいつもと同じ。

だからこの日は私たちも「一人」として仕事をした。



朝、朝礼も出ずに現場へ向かう。

新人は私一人。

他はそれぞれ別の現場へ。


なんとか仕事をこなし

昼休憩で食堂へ。

食後にふとケータイを開くと

メールが2件、着信1件。


すべて猫宮さん。


1通目は朝礼直後くらいの時間。


おはよう。

今日は忙しいけどお互い頑張ろう!


2通目では心配してくれてた。


大丈夫?

落ち着いてやれてる?


着信はついさっき。

きっと向こうも昼休憩なのだろう。


仕事に関する電話では無いのはわかってた。

でも一応上司からの電話だし・・・

急用かもしれないし・・・

迷いながらも自分に言い聞かせて掛け直した。


もしもし。


おつかれさまです。どうかしましたか?


いや、メールの返事が無いから気になって・・・


ケータイをいじる余裕が無かったので気付かなかったです。

すいません。


そうだったんだ。


用件は他にあります?


無いよー。


じゃあメールにしますね。

ここ電波悪いしうるさいんで。


了解。



あんたは束縛しいの彼氏か!


つっこみたかったけど

自分が悲しくなるだけなので

心の中にそっとしまっておいた。


猫宮さんは忙しさの影響をもろに受ける立場なので

ほぼ徹夜状態が何日も続いてるらしかった。

かなり疲れてたんだろうな。


しかし、自分の事でいっぱいいっぱいなはずなのに

私の心配をしてくれるなんて。

私は欲深い。


私は君を好きで

君は私を好き。


たったこれだけでいいはずなのに。



どうして君は未来の話が出来るのだろう。


どうして私はその未来に期待しているのだろう。


どうして君には選択をするという選択肢がないのだろう。


どうして私は罪悪感を感じているのだろう。



この先を求めたって辛いだけなのに

求めずにはいられない。


どうして君はそんなに無邪気に笑えるの?


どうして私は今にも泣きそうなの?

猫宮さん視点で。


正直言って、俺も前から気になってた。

休憩室でよく会ったでしょ?

あれ、結構狙って行ってた。

もちろん偶然の時もあるけどね(笑)


最初澪ちゃんに彼氏がいるって聞いてたから、少し考えた。

でも俺にも彼女がいるし、

ただただ仲良くなれたらいいなと思ってた。


GW明け に一緒に仕事出来た時はすごく嬉しかった。

しかもその時澪ちゃんから「彼氏と別れた」って聞いて

驚いたけどチャンスだと思った。


やたらAさんの電話番号教えようとしてくれたのは

作戦だったんですか?


そうだよ(笑)

どうしても澪ちゃんから聞いてほしかったんだよね。


仕事中に現場でキスしたのは

澪ちゃんの瞳に吸い寄せられたから。

不可抗力です(笑)


仕事終わりに電話したり

ローソンに来たりするのは

単純に澪ちゃんに会いたいからなんだよ。

一緒にいて楽しいし、癒されるから。


会社の立場的にも

彼女持ちの立場的にも

本当は言っちゃいけないんだろうけど

澪ちゃんの事、好きだよ。


もし今彼女と澪ちゃん、どっちか選べって言われたら

正直選べない。