長い一日。(午前編)
うちの会社、月末はいつも忙しいらしい。
特にこの月はどこの課も余裕がなく、
他県の事務所から応援を頼んだり
入社して2ヶ月の新人たちを戦力として数えるくらい。
社内では誰もが忙しい顔をしていた。
私たち新人にとっては
今まで研修でやってしてきた事を
教育係がつかない状態でやるだけ。
責任の大きさは違うけど
作業としてはいつもと同じ。
だからこの日は私たちも「一人」として仕事をした。
朝、朝礼も出ずに現場へ向かう。
新人は私一人。
他はそれぞれ別の現場へ。
なんとか仕事をこなし
昼休憩で食堂へ。
食後にふとケータイを開くと
メールが2件、着信1件。
すべて猫宮さん。
1通目は朝礼直後くらいの時間。
おはよう。
今日は忙しいけどお互い頑張ろう!
2通目では心配してくれてた。
大丈夫?
落ち着いてやれてる?
着信はついさっき。
きっと向こうも昼休憩なのだろう。
仕事に関する電話では無いのはわかってた。
でも一応上司からの電話だし・・・
急用かもしれないし・・・
迷いながらも自分に言い聞かせて掛け直した。
もしもし。
おつかれさまです。どうかしましたか?
いや、メールの返事が無いから気になって・・・
ケータイをいじる余裕が無かったので気付かなかったです。
すいません。
そうだったんだ。
用件は他にあります?
無いよー。
じゃあメールにしますね。
ここ電波悪いしうるさいんで。
了解。
あんたは束縛しいの彼氏か!
つっこみたかったけど
自分が悲しくなるだけなので
心の中にそっとしまっておいた。
猫宮さんは忙しさの影響をもろに受ける立場なので
ほぼ徹夜状態が何日も続いてるらしかった。
かなり疲れてたんだろうな。
しかし、自分の事でいっぱいいっぱいなはずなのに
私の心配をしてくれるなんて。