営業マン時代に東北6県を担当してた時のことです。

その日は津軽方面での営業をし終え、翌日の営業先のビジネスホテルに向かって
車を走らせていました。
経費をあまり掛けたくないため、高速を使うのを止め、ナビに従って山を越えることに
しました。

山の天気は酷く雨が強く降ってきたかと思うと、今度はガスがかかって全然前が見えません。
初めて走る道の上に、真っ暗で急なカーブを延々と曲がり、予定より大幅に時間が掛かって
いることに気が付きました。

それと同時に、急にトイレに行きたくなりキョロキョロしながら走っていると、
茶屋かお店のような建物を見つけ、その脇の道路に近いところにトイレがあるのを発見。
急いで駆込みましたが、電気がありません

仕方なく車をトイレの入口ギリギリまでつけ、車のライトで照らすことにしました。
用を足し始めると、車のライトが点滅しているのかトイレの中がピカピカと…
まさか…と思いましたが、直感的に誰かが車の前を横切っているように思えました。それも大勢で。

さすがにヤバイと思い、小便をビッと止めて、慌てて車に乗り込み脇見も振らずに
下山しました。
後で聞いた話ですが、映画にもなった有名な雪中行軍の慰霊碑の近くだったそうです。



以前勤めていた会社で聞いた話です。

ある日の夜中3時頃に、
社長の自宅にも繋がっている会社の内線電話が鳴り、
「こんな時間に何事だ」と内線の番号を見ると
4階にいる叔母さんからです。
出ると、叔母さんが切羽詰まったような声で、
「早く、早く来て!」と言うのです。
「どうしたの、何かあったの!?」と聞くと、
「Y部長が階段を上がってくる!」と
今にも泣きだしそうです。

社長は一瞬、
「叔母さん、寝ぼけてるんだな」と思ったそうです。
何しろY部長は
その年の夏に脳溢血で亡くなっていたからです。
電話口からは
悲鳴ともつかないような
叔母さんの細い怯えた声が続いたかと思うと、
「は、早く、鍵を取り付けに来て!」
と叫ぶのです。

そのあまりの尋常でなさに、
社長は奥さんと一緒に隣の会社の4階に走りました。
会社内では、
室内履きに履き替えることになっていました。

昼間でも階段を上り下りする時はそれぞれが履いているスリッパの足音が
パタパタと鳴り響くのですが、
10人いた社員それぞれに足音の特徴があり、日ごろその叔母さんは、事務仕事をして、下を向いていても、誰が階段にいるのかがすぐにわかる、と言っていたそうです。

そして、
その日の夜中、
他に音のない会社の階段に、
ペッタン、と音が響き、
Y部長の特徴のあるスリッパを履いた足音が、
ペッタン、ペッタンと上へあがってきた、と言うのです。

その後、叔母さんの部屋には
鍵が取り付けられ、
それきりY部長の足音はしなくなったそうです。



まだ息子が小学生だった頃は、10月31日になると毎年マンション中を使ってハロウィンを楽しんでいました。

仲良し数人でグループをつくり、参加者の家へ、お菓子をもらいに回ります。
7時から始まり、8時にはたくさんのお菓子を手に息子が帰ってきました。

とこが、8時30分頃、
一緒に回っていたお友達のお母さんから電話がかかってきました。
「うちの子がまだ帰らない」と‥‥。
息子に確かめると、エントランスで解散し、そのお友達と一緒に、エレベーターにも乗ったと言います。
我が家は7階、お友達は10階なので息子は先に降りたそうです。

他のお母さん達とマンション中を探しましたが、見つからず
10時頃、警察に連絡しようとした矢先、お友達の家の玄関前でぐったりとしゃがみ込んでいたお友達を発見。

話を聞くと、
歩いても歩いても途切れる事のなく廊下が続き、エレベーターに乗ったり階段を降りたりして他の階に行っても、やはり同じく、続く長い廊下が続いていたそうです。

エントランスに降りることもできず、2時間ほどひたすら
マンション内をさまよっていたとか‥‥。
翌年から、ハロウィンの企画はなくなりました。