私の実家は築150年の木造家屋です。

玄関を入ってすぐ仏間があり、
その奥の土間だったところを台所に改装してあります。
父がずっと住んでいましたが、病気をしてからは、
庭を挟んで隣の仕事場にベッドを入れて住んでおり、
家族が訪ねた時だけ、古い家は使われています。

家の仏壇は高さ2メートルの大きなもので、
父の父母と祖父母の遺影が掲げられています。
息子が2才のゴールデンウィークに2人で父を見舞いました。
もちろん夜は2人で古い家のほうにいたのですが、
台所でお皿を洗っていた時です。

息子が
「ねえ、だれかいるよ。」
と言うのです。
最初は、言葉を覚えたての息子の言うことだからと、
「そう?」と返事をして
気にも止めなかったのですが、
また、
「ねえねえだれかいるよ。」
振り返ると、台所から仏壇の裏へ続く廊下の入り口を凝視しています。

もう、どんな人?
なんて聞く余裕はなくなり、
皿洗いもそこそこに布団を被って眠りました。
次の日、自分たちの家に帰る時間が近づき、仏壇にお線香をあげ
「お父さんをお守りください」とご先祖様にお願いをしました。

ふだんは無言で手を合わせるのですが、息子に聞かせる意味もあり、声に出しました。
すると、


息子が私の顔を覗きこんで、
「うるさいって。」と。



看護師として働いています。
あれは、いつ頃だったでしょうか‥‥。

初回の入院からずっと関わってきた患者の○○さんが亡くなり、
お見送りをした夜、不思議な体験をしました。

夜間にお見送りをした
その○○さんの部屋は個室だったので、空き部屋になっているはずです。
しかし巡視のとき、その部屋を通った際に、
「あれ?」と違和感を感じました。
ドア、開いてる。

夜間、ほかの患者さんが、
間違ってドアを開けたのかな?と、
その時は中を確認して、特に気にせずドアを閉めました。
巡視は基本的に2時間ごとに行うのですが。
あれ‥‥
さっき、ドア閉めなかったっけ? わたし。
そう、また、ドアが開いていたんです。

しかも、少し。10センチ弱。
先ほどと同じでした。
勢いよく閉めてしまった反動だったのかな?と、
今度は確実に閉めました。
閉まったドアを確認して、巡視をしました。
そして、2時間後。
また、開いていました。

あ、これは○○さんがまだいるな、と思いました。
恐怖感は不思議とありませんでした。
部屋に入り、
「○○さん、ご家族が待ってますよ。お家で過ごされてはいかがですか」と声をかけました。
その方は普段からドアを少し開けて、看護師が巡視するのを見ているような、
そんな方だったのです。
そして、ドアを閉めました。

その後、朝までドアが開くことはありませんでした。
無事にお家に帰れたのだと思います。



中学生の時の放課後、体育の先生からボールを借りて校庭で遊んでいた時のことです。

何人かでバレーボールをしていると、先生が
「そろそろボールを返して、家に帰りなさい。」
と言ってきました。
それじゃそろそろ、と全員で校舎のほうへ近づいていった時、突然3階の窓から学生服を着た男の子が飛び降りました。

びっくりした私たちと先生は慌てて駆け寄りましたが、その男の子はスーッと消えてしまいました。

しばらく呆然と男の子がいた場所を見つめていましたが、
友達のひとりが悲鳴をあげたとたん、いっせいに、校庭から飛び出しました。

校庭を出たところで一瞬振り返りましたが、なぜだか先生はそのままその場所にいました。

次の日、登校しましたが、
誰もその時の事を話題にする人はいませんでした。