私の実家は築150年の木造家屋です。
玄関を入ってすぐ仏間があり、
その奥の土間だったところを台所に改装してあります。
父がずっと住んでいましたが、病気をしてからは、
庭を挟んで隣の仕事場にベッドを入れて住んでおり、
家族が訪ねた時だけ、古い家は使われています。
家の仏壇は高さ2メートルの大きなもので、
父の父母と祖父母の遺影が掲げられています。
息子が2才のゴールデンウィークに2人で父を見舞いました。
もちろん夜は2人で古い家のほうにいたのですが、
台所でお皿を洗っていた時です。
息子が
「ねえ、だれかいるよ。」
と言うのです。
最初は、言葉を覚えたての息子の言うことだからと、
「そう?」と返事をして
気にも止めなかったのですが、
また、
「ねえねえだれかいるよ。」
振り返ると、台所から仏壇の裏へ続く廊下の入り口を凝視しています。
もう、どんな人?
なんて聞く余裕はなくなり、
皿洗いもそこそこに布団を被って眠りました。
次の日、自分たちの家に帰る時間が近づき、仏壇にお線香をあげ
「お父さんをお守りください」とご先祖様にお願いをしました。
ふだんは無言で手を合わせるのですが、息子に聞かせる意味もあり、声に出しま した。
すると、
息子が私の顔を覗きこんで、
「うるさいって。」と。