夕食を食べ終えて家族でテレビを見ていたら

ピンポーン
とインターフォンが鳴りました。
時間は22時をこえていたので
こんな時間に誰だろね? と話しながら
母親が玄関を開けると、誰もいません。

イタズラかなぁ? と言いながら戻ってくると
また、
ピンポーンピンポーン‥‥
母親が玄関へ走って行き、開けても、やはり誰もいません。

自分も母親についていってみましたが、人なんていませんでした。
玄関をあけたまま振り返り
気持ち悪いねと母親が言った瞬間


ピンポーンピンポーンピンポーン‥‥


扉はあいているのに、イタズラする人なんて、いませんでした。
スイッチ、切っておこうか。
と部屋の中にあるインターフォンの
機械に手を伸ばした瞬間‥‥


「これ‥‥‥‥そやねん!
 そもそも電池、入れてないわ‥‥」電池が入っておらず、
電源も入れてないインターフォンがどうして鳴っていたのかは、未だにわかりません。

















中学生のとき、
バスケットボール部に所属していました。
その日も週末の練習試合を終えて、部活仲間10数名と
電車に揺られ家路を辿っていました。

田舎なもので、電車内はガラガラです。
部活の仲間も試合で疲れ、
ほとんどのメンバーが眠っていました。
私と私の隣に座るT君だけが、ウトウトしながらも
起きていたことを覚えています。
終止T君はうつむいて、今にも眠りに落ちそうでした。

私と言えば、
ひとつ気になることがあり、
そこから目を離せなかったのです。
私とT君の目の前に女性が座っていたのですが、いつ頃からいたのか、わかりません。
しかもその女性は両手を顔にあてシクシクと泣いているのです。

目の前にそんな状態の人がいれば、なかなか眠れる訳もなく。
(あぁ、泣いてるなぁ、彼氏にフラれたのかなぁ。)
なんてことぼんやりとひとり思っておりました。

私達の地元は電車の終着駅でした。
電車が到着し、眠っていた部員も目を覚まし、だらだらと電車を降りていきます。
私とT君もいっしょに電車を降りました。
そして私はすぐ、泣いていた女性の話をしたんです。

「俺らの目の前でさ、
 女の人ずっと泣いてたな。
 あれ絶対フラれたんだって! しかもずっと電車のったまんまだよ? 終点なのに」
するとT君が。
「女の人? 泣いてた??
 俺ら以外、誰も乗ってなかったじゃん」
そんなわけがありません。
T君と私の目の前でシクシクと音を立てて泣いていたのです。
私はそんなことないって、といいつつ、先ほどまで乗っていた電車をT君と共に振り返りました。
すると、
先ほどの女性が椅子から立ちあがって、顔を両手で塞いだまま
窓越しにこちらを向いているのです。

私は思わず、うわっと声を上げて後ずさりしました。
しかし、T君は
「空っぽじゃん」
というのです。
そのまま電車は発車し、
泣いた女性はそのまま運ばれていきました。

その後、部活の仲間全員に確認しましたが、
泣いた女性を見たのは、
私ひとりでした。

ふと嫌な想像が頭を過ぎる。

…昨晩、何かがここから這い上がって来、彼のテント周りをうろついた。
そして又この中に戻って、水の中に沈んでいった…

恐る恐る中を覗いてみた。
赤茶けた地肌が底の方に見える。
どう見ても、ずっと昔に枯れた井戸だった。

「俺があの夜聞いたのは、一体何の音だったんだろう?」


今でもそれが不思議なのだという。