興味の無い方はスルーして下さい。長いです。
手術前に化学療法(抗がん剤)を実施するのは日本では標準治療ではありません、何故か?
日本では早期発見して手術する事を優先させてきたが、欧米では腫瘍が大きくなって発見されるケースが多く、手術前に小さくして手術するケースが多いかとからの様です。それで術前化学療法のエビデンスが少ない事から標準治療では無い様です。その為の治験でもある様でした。少し、今後の治療方法に役に立ったのかなと思っています。
早期NSCLC(非小細胞肺癌)患者を対象にニボルマブ(オプチーボ)及びイピリムマブ(ヤーボイ)あるいはニボルマブ(オプチーボ)及びプラチナタブレットによる化学療法とプラチナタブレットによる化学療法を比較するランダム化オープンラベル第3相試験
とこんなに長いタイトルの治験(臨床試験)です。以前にも書きましたがこの治験には世界で350人、日本で50人、私の治療をしている病院で5人が参加しているようです。
方法としては化学療法を3クール実施してから手術を行う。化学療法に上記タイトルの薬をグループ別に使用して比較する。
投与A群はニボルマブ(オプチーボ)もしくはイピリムマブ(ヤーボイ)
投与B群はプラチナタブレット 2種類の抗がん剤を組み合わせた化学療法で5組あります。
私はシスプラチン+アリムタ(ペメトレキセド)でした。
投与C群はニボルマブ(オプチーボ)+プラチナタブレット3組
この治験への参加出来る条件
・ステージ3Aまでの非小細胞肺癌で切除手術が可能な人
他にも条件あり
参加出来ない条件
・ステージ4の人
・EGFR遺伝子異常やALK融合遺伝子陽性が認められる人
他にも条件あり
上記の条件を調べる為の検査を色々約1ヶ月かけて実施しスタートできました。
私はどのグループになったかと言うと投与B群です。この選別はコンピュータが無作為に選別割付るらしいです。私は投与する1日前に教えてもらいました。この時点で参加を止める人もいるそうです。私はどのグループになっても参加しようと考えていました。
シスプラチン+アリムタを選定した理由を呼吸器内科医に確認すると肺腺癌にはこの組み合わせが良く効くとの事でした。
結果は大正解でした。CT画像では癌細胞が小さくなって測定出来ないくらいになっていた。
PET-CTでは、原発巣、リンパ節2箇所共に反応が全て消えていました。
手術で入院中この内科医と廊下でお会いした時にお礼を言い、先生も喜んでくれました。
疑問ですが投与C群の場合
ニボルマブ(オプチーボ)は免疫チェックポイント阻害薬は、自分の免疫で癌細胞を攻撃させる為の薬です、でもプラチナタブレット 例えばシスプラチン+アリムタ(ペメトレキセド)と組み合わせた場合プラチナタブレットでは副作用に白血球減少があります、多分他の抗がん剤でも同じ様に白血球減少の副作用があり、ニボルマブ(オプチーボ)と組み合わせた場合せっかく自分の免疫、白血球で癌細胞を攻撃したいのにプラチナタブレットで白血球を減少させては、より良い効果が期待出来ないのでは無いかと思ったりするのですが。