ずいぶん前に観た、仲代達矢さん主演の「ハチ公物語」では
自宅で観たせいか声を出して号泣した映画だった。
それからいろんな犬が主役の映画を観たが、ハチ公物語ほど
泣けた映画はなかったのだが、やっと巡り合えた。
今回は映画館の中だったので声は必死に押し殺したが
涙と鼻水が止まらなかった。
ネタバレになるといけないので多くは言わないが
西田敏行さん演じるおとうさんは楽しくもあり、もの悲しくもあり、
同じ男として同情する部分もある。
時として「釣りバカ日誌」の「ハマちゃん」とかぶるシーンもあるのだが、
やはりなんかこういうお父さん役は西田敏行さんがピッタリであろう。
昔、ドラマでやっていた「池中玄太80キロ」のお父さんのイメージだ。
会社をクビになり、離婚してやがて孤独死・・・
世の中そんなお父さんはいっぱいいると思う。
でもハッピーが一緒にいたことで、多少なりとも寂しさは紛らわせただろうし
楽しい旅だったと思う。
最後は身元がわからないように、偽名を使ったり、
ナンバープレートをはずしたりしたことは、別れた家族に
余計な迷惑を掛けたくないとの配慮だと思う。
別れたヨメさんが働く姿を見たら頼れないんだろうな。
そのあたりはあの世代の男なのだろう。
しかしあの少年にお金を奪われなかったら先も変わっていたかも知れない。
もしお父さんが一人だったらあの少年を助けなかったかも知れない。
あの少年がコンビニにいなかったら。
と作られたものにに「たられば」を言っても仕方がないのだが。
でも犬ってつくづく愛をもって接してくれる飼い主には忠実なんだなと思う。
特に秋田犬はハチ公でもそうだったように飼い主には忠実だそうだ。
そんな忠実な秋田犬だからこそこういった映画が成り立つのかもしれない。
試写会が終わってヨメさんと目を真っ赤にしながら一言もしゃべらず
家に帰って愛犬を抱きしめた。
うちはゴールデンで、賢いはずなのだがアホ犬だ。
もし、私と旅に出て死んだら、アイツはオレの肉を食うか
出て行って戻ってこないんだろうな…
なんかむなしい