先週、脳神経科で、顔面けいれんを抑えるためのボツリヌス菌注射を顔に受けてきた。
ボツリヌス菌・・と聞くと、毒のイメージがあって怖いが、美容整形でも利用されている「ボトックス」である。
とはいえ、この注射を打つまでに、同意書の承諾のやり取りや診察など2回ほど病院を訪問。
結構面倒な手続きであり、そう簡単に、ブスッと注射という訳ではなかった。
最近の顔のけいれんは、日常的に困っているわけでないが、時々目の下が震えるのと、口の横のひきつりがたまにある程度。
ただ、よーく顔を見ると、右目が少し閉じがち(下まぶたがキュッと上に吊り上がっているように見える)で、左右の目の大きさが非対称な感じである。※人間の顔は、左右非対称がふつうですけどね。。
すぐ手術!というレベルではないので、まずはけいれんを止めるボトックスで、どれだけの効果があるかを見るために、一回試してみようと思ったのだ。


さて、当日。先生から、ベッドに横たわるように言われ、寝そべっていると、先生がものものしくビニールの手袋をはめて、注射の準備にかかっていた。
手にでもついたら大変なのだろうか・・そんな思いがよぎる。
目をかるくつぶると、いよいよ、ボツリヌス注入!細い針の注射で目の周りとほおのあたりを数か所菌を注入していく。。
一瞬チクッとするが、ガマンできない痛みではない。5分もしないうちに処置は終了。
打った後は、ちょっと違和感があるが、そのまま歩いて帰ってOK!
意外と簡単に終わったものだ。私はその後は、バイオリンの練習に出かけた。


今日で、注射後、1週間。その効果は、、、確かにけいれんや、引きつりは殆ど無し!
けいれんを発生させる神経を、ボツリヌス菌でブロックしたのだから、その効果が出てるということなのだろう。
だが、困ったのは、目の開閉の筋肉を止めたせいか、目を閉じるときにかなり力が要る。
あと、目が若干大きく見開いているようで、健常な左目より、少し大きくなってしまったこと。
しかもコンタクトをいれると、目が乾いて痛い。。泣
なかなか、うまくいかないものだ。。
この効果は3~4か月しか続かないので、また元に戻るそうだが。もう一回、注射をするかどうかは考えてしまうなあ。やっぱり根本的に治すなら、手術しかないのかもしれない。暫くこれも様子見になりそう。
色々、治すところがあって、大変です。。
今日は、月1回の病院。
前回は、あの震災があった日。ちょうど一カ月過ぎたんだ。。世の中がいろんな事で騒然となり、混乱で疲れた一月だったように思える。

今日は、朝から地震があり電車が止まっていたりと、アクシデントな予感満載の日だったが、帰りはトンでもない事件に遭遇した。
なんと、女性がバイクに乗った男と路上で格闘していたのだ。
痴話喧嘩?と思って通り過ぎようとしたら、突然女性が

「この人、ひったくり犯なんです!!」叫び

と叫んだ。
え!何がなんだかわからず一瞬私は、動けずにいたのだが、女性を助けに飛び出した。
女性は、男性が持っていたバッグを取り上げ、私に手渡すと、その男が突然私に向かって殴りかかってきたので焦り、バッグを手放してしまった。
その後、ドタバタに気づいた近所のクリーニング屋の男性スタッフが飛び出してきて、男を取り押さえ、警察に連行された。
男はフルフェイスのヘルメットをかぶり、バイクのプレートは目隠しをして、周到な準備をしていた。
顔をちらりと見たが、50代くらいのしおれた感じのオヤジ。。
常習犯なのかもしれない。

犯人の拳は私の顔をかすった程度で事なきを得たが、女性は数発殴られたようで興奮しており、警察官に喚いていた。
こんな昼間に、事件にあうとは思わなかっただろう。かわいそうに。。
彼女は唇を切っていたので、ハンカチを渡して大丈夫かと私は声をかけた。

当の私は、一番現場を見ていた証拠人&通報した人ということで、警察署で証拠調書を取るのに連れていかれた。状況報告を刑事と約3時間ほど話しながら作り、ようやく7時ごろに解放された。。
あー、やれやれ。

私が病院に行く日って、なんでこうトラブルに見舞われるんだろう・・
前回の地震に引き続いて、今日はひったくり。
なんだか、慶応病院の「因縁」を感じてしまうのは、私だけかな?

皆さん、街を歩くときは、昼間でも気を付けて。
地震も用心したほうがいいけど、犯罪は結構周りに起きているようだから。。
昨日の日経の夕刊に掲載されていた、作家の乃南アサさんのインタビューで気になったフレーズがあったので、ここにメモをしておきたい。(WEBでは、有料会員でないと記事がみれない・・)
乃南さんは、地震のとき、仙台に居たという。「地のはてから」という過酷な時代に北海道で生きた女性たちの小説を書いた後のことだった。昔と今に生きる人々を比較して、鋭い指摘をしている。

「今の人は人生に快楽を求め、ごほうびがないと頑張れない。生き方が多様になり、テレビや雑誌で成功者を見ると、もっと別の生き方があったんじゃないか、自分は貧乏くじを引いたのではと思う」

「自分の生き方に満足していると、つまらない人と言われる。幸せになりたいと占いに凝り、本を読んで頑張ってみるが、世の中それほど甘くない。かつてはモノが増えることが幸せにつながっていた。今は何が幸せかもわからない。ぼんやりとした不幸せ感が社会をおおっている」

「平和ぼけが長かった私たちは被災地の人を除けばまだ実感としてわかっていない。戦争も自然災害もテレビ越しにしか見たことがないのですから仕方ありませんが、この大災害を現実のものとしてかみしめなければいけない」

「被災地の人も私たちも、深く考え込まないでとにかく生きること。理屈は後でついてくる」

~日経新聞 夕刊 2011年3月26日~

地のはてから(上) (100周年書き下ろし)/乃南 アサ
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読んでみたくなった。


自分の所属していたアマチュアオケの演奏会が延期になった。
来週末が本番だったから、この緊急事態の最中、見合わせたということなのだろう。
今週末が最後の練習。しかも先週は地震明けで休んでいたため、練習不足だったからちょっと助けられた気分にもなった。

最近、日本国内のイベント、特にコンサートやスポーツなどエンターテイメントにかかわる者は、延期か中止。
当面、「自粛」ムードなのだろうが、このために準備をしてきた人たちや楽しみにしている人たちにとっては残念な「お知らせ」に違いない。

交通手段の規制や停電、さらにこれからまた起きるかもしれない地震の恐れなど、十分に娯楽を楽しむ状況ではないのはわかっているし、東北地方の人は、今にも「生きる」か「死ぬ」かの瀬戸際に居るのに、慎むべき事象と取る人も多いだろう。
しばらくの間は、「万が一の場合に備えろ」と世の中の何がしかの見解に、皆が黙って従うという流れが当然なのかもしれない。

ただこんな時だからこそ、自分たちの鬱々とした不安を掻き消してくれるイベントは、必要なのではないだろうか。
今は家に居る時間は長く、得ている情報は主にテレビかネットが殆ど。
人が流している情報のみを頼りにしては危険と思い、昨日からタイミングを見ては外出し世の中の動きを少しでも見るようにした。
会社に行っている人であれば(通勤は大変だろうが)自然に入ってくるだろうが、家に閉じこもりがちだと情報が入りずらくなる。
(それで、主婦などはスーパーの空の棚を見て、買い占めちゃったりするのかも・・)

家に居て危険を回避することも大事だが、回避だけでは何も前に進まない気がする。
震災被害者の人道支援はもっともなことだが、自分たちのことももっと考えていくべきかと。
ほどほどにわきまえ、自分たちの気持ちが休まること&楽しめることをやることが、今だから大切なのではないか?

明日はタイミングをみて、出かけるつもり。
レッスンにいこうか。
丁度先週、そんなときにくしくも地震にあってしまったが。。笑







連日のTVで報道される被災地の状況に、やや疲れ気味。
いい情報なら、聞いてもよいが、不安を駆りたてたり被災地に居る方の様子(疲れているのにインタビュー)を見てるのは、つらい。


ツイッターやFacebookも、復興支援&元気出せメッセージがたくさん流れてくる。
はじめは驚き、感動していたが、ここまでプッシュされてくると、「親切の押し売り」のようでウンザリ。

情報発信できるのは、自分の置かれている状況が安心・安全だからなんだけど(自分のその中のワンオブゼムだが)
支援するのなら、黙って募金するのが、被災地以外の人ができる最善なこと、今のところは。
(募金しました、とツイッターでいうのも、なんだか変)

なので、地震ネタではなく、早く自分のペースを取り戻すことが一番なのでは。
必要以上に恐れず、情報は適度に拾うくらいがちょうどいい。
(家でもテレビはつけっぱなしになっているが、汗)

新聞社の夜勤明けシフトから帰宅し、ソファで眠る旦那の横で、こんなことを書いてる自分。
今から、続けている勉強のテキストを開くことにする。
テレビはミュート(消音)、youtubeで音楽でも聞こうか。


※情報を無理やり相手にプッシュしないブログの形が、今は一番快適な気がします。

昨日は、月一回の病院の日。

まさか、その日に地震に合うとは…。


予想外に長い時間を慶応病院で過ごすことになってしまった。

傷病手当の手続きをするため、昨日は少し早目に到着。

まだ前の相談者がおわってないので、しばらく廊下で待っていた。

と、なんだか軽い揺れを数回感じた。隣の女性と「地震ですよね?」と言いあっていたら、と突然大きな揺れが!


なかなか、揺れが収まらない。。ガーン

治療室のほうから器具がガシャッと落ちる音や、書類が落ちる音などして、騒然となる。

ガタイのいい看護士さんが、処置室から飛びだしてきてドアをうごかないように押さえながら「大丈夫ですか?」と叫んでいた。

こういう人の近くに居るとなんだか心強い。

その後、慌てて旦那に電話をするが、SoftBankは繋がらない!廊下ではスタッフたちが対応に追われていた。


会計を済ますして駅に行くと、なんとJRは不通。

信濃町駅にはひとが溢れ始めていた。危険回避にお茶でも飲もうと思っても周辺の店は、営業停止か満員。

結局、病院の地下のカフェスペースに舞い戻った。


この時、すでに3時半。

ここで一時休憩と思っていたが、一向に交通は復旧する見込み無し

。帰ることができなくなった患者さんも、集まってきてとりあえずみな待ちの姿勢に。

みんな先に食べ物!とおもったようで、院内のコンビニに人が殺到。

棚のパンやカップ麺を買い込む人で大混雑でレジは長蛇の列が。

私が買ったのは、焼き芋クッキーとクルミのお菓子。

ハイカロリーなものを選んでおく。


旦那とは携帯が一瞬繋がるが、メールはアウト。

これから出社なのに、電車はまだ動かず、足止めらしい。

9時過ぎ。入り口の待合室に行くとかなりの人が椅子に座りこんでいる。

高齢者が多い。みな具合が悪いのに大変。。

職員たちが、交通機関の情報を掲示板に書いたり、水とカンパン配給をしてくれていた。

まさかの緊急事態なのに、本当によくやってくれていた。本当に感謝!


結局JRは運転中止。まだ東急も走らないようだ。


仕方ないから、自販機コーナーで、椅子をくっつけて横になった。

周りのおばさんたちも、静かに寝始めている。

周りに人が居るし、トイレもあるから病院はいい選択肢だったかもしれない。


朝5時。田園都市線が走っているという情報を聞きつけ、まだ暗い夜道を青山一丁目まで10分近く歩いた。思った以上に寒い。。

半蔵門線は、意外にすぐ乗れて、座れる余裕もあった。

昨夜から走ってたのかもしれないが混雑は凄かったのでは?


6時。自宅に到着。家のワンコも無事でホッとした。

なんとも長い夜だった。

まさか入院でもないのに、また病院で夜を過ごすことになるとは。。


病院に、よっぽど縁があるみたい。ちょうど病院で読んでいた香山リカの本「生きてるだけでいいんです 」。


生きてるだけでいいんです。/香山 リカ
¥1,260
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肩の力を抜けという本の内容なんだけど、この本のタイトルがいまの私の状況を象徴してる。

本当に何もなくて、無事に「生きてて」よかったと今はただ思うだけだ。