岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

 

 

 

 失われた理念と 熱情の蜃気楼

 

 

 

 

 

 

 

 空を制するため 盟友に託した技術の原型は?

 

 

 

 

 

 

 

 ハ 40 エンジン、そして ハ 140 エンジン を搭載した 飛燕

 製造したのは 川崎航空機工業 … つまり現在の 川崎重工業です。

 

  戦闘機に不可欠な高出力機関を獲得することの難しさ。

  革新的なドイツ側の技術をライセンス契約により DB600エンジンが

  1936年に遠く海を越えてもたらされました。

  日本の海軍は 艦上爆撃機のエンジンにすべく、愛知時計電機が契約締結。

  さらに 性能をアップグレードした DB601も契約に引き継ぎました。

  1939年、 川崎航空機工業 も 正式な追加ライセンスの許可を得ます。 

 

  そのエンジン製造も 最高軍事機密と同様に極秘に扱われる当時の事情。

  日本の製造に従事する技術者も ダイムラー・ベンツ社 に赴き習熟する

  という真摯に学習する権利も得たそうです。

 

  世界に追いつこうと懸命な当時の技術者の姿が偲ばれますね。

  

 

 

 

 

 

 

 

 内燃機関 蒼穹での 熾烈なドッグファイト

 

 第二次世界大戦では、レシプロエンジンの傑作も多数誕生します。

   その多くが人命を失う空の闘いに投入され世界大戦も佳境に… 。

 あまりに無謀な戦争に突入し、焦土に帰した地獄絵が遺す逸話。

 

 得たものより … 失ったものと痛みの深さが癒えることはない。

 しかし、ある種の美しさに達した翼は … 代弁もせず沈黙を守る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試作 DB606 エンジン 幻の咆哮

 

 前述の DB601エンジンに関したライセンス契約に伴い生産の権利が

 認められたのが 大出力型エンジンの DB606 でした。

 

 実に出力1000馬力級という 601エンジンが2基とも横に並びます。

 両機を結合しているのは減速装置部分。

 ツインのエンジンが発生するのは 最大なら2000馬力級に到達可能。

 

 本国ドイツの工廠で生産された爆撃機に搭載され脅威とされた怪物も、

 我が国の事情によれば … 試作による段階までにて終止符を打つ。

 

 

 

 

 

 

 

 爆音を轟かす … 悪魔の心臓か? 命運を分ける

 

 当時から保存されてきたエンジン本体を展示していました。

 戦況の悪化を招いた軍事作戦の失態と奈落の実情に遭い ロールアウトに

 至らず消えていった幻のメカニズムに漂う重圧にも似た雰囲気。

 

 

 

 

 

 

 ドイツ工業技術の集大成を知らずとも 大戦中に到達していた産業が

 平和に利用されていたなら … いまの世と未来は変わっていた筈。

 

 

 

 

 

 

 無数の思想や技を学んできた日本人に、戦争という悲劇は残酷でした。

 生み出された機械に呪われる罪はないと言えば … それまでなのですが。

 

 内燃機関として現代の技術水準でも 遜色ない機構が盛り込まれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 飛燕 に搭載された 主エンジンの部品。

 

 ハ 40 エンジンのシリンダーブロック と カムシャフト。

 

 

 

 

 

 

 燃料の噴射ポンプ  … 点火プラグ や 吸気弁

 

 

 

 

 

 

 

 

 人間の可能性を知るための翼が、不幸な運命に翻弄されてしまった悲劇。

 だからこそ … その復元された機体が醸しだす全てが美しい余韻。

 

 設計した人も 操縦桿を握った人も失われ … もうどこにもいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛燕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彗星画廊☆写真集  HP

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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守りたい家族や恋人(ひと)のために捧げられた命。

そんな国土と故郷も羞恥心を失った群れが穢す。

憤りを抱く誠実な人に未来を託したい。

 

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