メディアで扱う瞑想の情報では、瞑想の全体像がわかりにくいので、よりわかりやすく説明を始めました。
今回は3回目。
■瞑想と座禅の方向性の違い
- 半眼と瞑目どちらでもよい
- 目を閉じる瞑想は神秘体験に向かう
- 半眼の座禅はゾーンに向かう
■瞑想と座禅の方向性の違い
最初は、意識のコントロールが瞑想の主なエクササイズです。
注意のコントロールに慣れてくると、集中力がどんどん増してきます。
こうして瞑想に慣れてくると、次の2つのステップへ向かいます。
・外からの刺激を断絶し、潜在意識に深く入って、内なる声との対話や、自己を超えたインスピレーションを得る瞑想。
(芸術家や、科学者が好む)
それとは真逆の、
・外側の刺激に対して集中し、感覚を研ぎ澄ませていき、ピークパフォーマンスを上げていき、ゾーンに入る瞑想(無になる瞑想)。
(アスリートや、ビジネスマンが好む)
両者、そこに至るまで、最初に実行する共通の訓練は、雑念を制御する「注意のコントロール」です。
今回は、この部分を説明していきます。
- 半眼と瞑目どちらでもよい
一般的な瞑想では、目を閉じます。
瞑想から日本独自の変化をした座禅では、半眼が主。
刺激を減らすために、目を閉じたり、半眼にしたりしますが、実はどちらでもOK。
- 目を閉じる瞑想は神秘体験に向かう
瞑想のように目を閉じた場合は、外からの刺激が減ります。
そのために注意は、心の内側に向いてきます。
慣れると、身体が生理的には寝てしまい、
意識だけが目覚めている状態が続きます。
そこから内なる声という幻聴との対話が成立したり(神との対話と言われることも)、
聖なる幻視などが現れ、インスピレーションが与えられたりすることもあります。
このときの脳波を調べると、シータ波と言って、夢を見ている状態と同じです。
そのため、インスピレーションや神秘体験を求める人には好まれる瞑想なのですね。
拙書「すべてはうまくっている」でも紹介しましたが、芸術家のダリは、絵のモチーフをうたた寝状態で見る夢の中に求めました。
その方法をふくめ、他の体験談も述べましょう。
●
アトリエで、ダリは椅子に座り、片手でスプーンを持ちます。
うとうとすると夢が始まるのですが(入眠時の夢)
そのときは、指の力も抜けて、床にスプーンを落とします。
「チャリーン」と音がして、ダリはうたた寝状態から目覚めます。
そして、今見た夢をモチーフにデッサンでキャンバスに描き留めるのです。
●
また、音楽家の宇崎竜童と阿木燿子は、曲が売れなくなったとき、
目をつむって神に「曲を与えてください」と祈りました(生理的に瞑想と同じ)。
何度も祈っていると、あるとき突然、頭の中で曲が鳴り始めたのです。
それが、山口百恵の大ヒットソングとなりました(プレイバックパート2)。
(以後二人は、山口百恵、一連のヒットソングを手がける)
●
私も、深い意識に入ったときに、「真実を教えてください」と祈ると、あるときから声が聞こえてきて(夢の幻聴)、質問に答えてくれたり(会話が成立する)する経験をしました。
また、深い意識に入った時、身体から意識が離れるような訓練をすると、そのうちに再現精度が高まってきて、そのコツをつかんだりもしました。
目を完全に閉じるデメリットは、初心者には眠りやすいことでしょう。
- 半眼の座禅はゾーンに向かう
座禅は、壁に向かって座ることが多く、半眼にしても目から入っていくる刺激は少なく、集中を妨げません。
多少は視覚的な刺激があるため、“目を完全に閉じる瞑想” に比べ、いくぶん眠りにくいメリットもあります。
目が半分開いているため、“集中の対象” を視覚的なものにすることも可能です。
梵字の「阿」を大きく書き、それ全体を集中する座禅を「阿字観(あじかん)」と言います(「阿」は梵字)。
信州松代(長野市) 清水寺さんから拝借
また、周囲の音など、“身体の外からの刺激” に集中するため、当初の目的である “雑念を戻す注意のコントロール” を達成した後では、非常に強い集中力が付いています。
●
瞑想をしていないレーサーやアスリートでも、調子が良く、極度の集中が続いた後、偶発的にですが、ゾーンに入ることがあります。
瞑想で集中する訓練をしっかりしている人なら、15分~30分でゾーンに入れるようになるでしょう。
ゾーンに入ったり、入らなかったり、ではなく、必ず入れるようになれば、技法の習得的には一人前です(内観は別)。
この瞑想・座禅を好むのは、
頂点を目指すアスリートや、より高いハードルを越えたいビジネスマンと書きましたね。
それは、下記のようなメリットがあるからです。
レーサーなら、速いスピードでも異常にゆっくり見えたり、
走るラインが光って見えたりします。
アスリートなら、物理的な視野180°を超え、後ろが見えて360°わかる状態になったり、
野球や卓球では高速のボールが止まって見えたり、ゴルフのホール(穴)が大きく見えたりします。
ビジネスマンなら、プロジェクト全体を俯瞰でき、キレキレの意思決定ができたり、
会議の発言で、一人一人の心の動きが分かって、対処しながら全体の意見をまとめ(コントロール)られたりします。
デメリットを考えてみましょう。
ゾーン入るには、“意識を非常に研ぎ澄ませることが大切” です。
この感覚は、ゾーンに入った者でないと難しく、
そのため周囲に、 “意識的にゾーンにいつでも入れる経験者” がいないと、この感覚をつかむのに苦労することです。
瞑想をしていない人やトップアスリートでなくても、稀にゾーンに入るときがあります。
交通事故で当たる瞬間などに起こりやすいですね。
昔、私がバイクで事故に遭ったとき、すごいスピードで「うわ、当たる!」と思った瞬間に、周りの音が消え、時間の流れをスローモーションに感じました。
この瞬間が、ゾーンに入った時です。
このようにゾーンに入った感覚は、普通の集中の延長線上ではなく、明らかに “閾値(しきいち)を超えた、まったく違う感覚”です。
私が瞑想でゾーンに入る場合は、
周囲の音…それも “ごくごく小さな音” に集中して、意識を360°広げていき、さらに意識を研ぎ澄ませることをしていくと、約20分ほどで、ものすごく集中できて、意識がキレキレの状態に入ります。
それが、ゾーンへ能動的に入った時です。
※ 私の場合、半眼でなく目を完全に閉じますが、慣れているので、
内面に注意を向ける瞑想と、
外の刺激(音)に、注意を向ける座禅と、
両方ができます。
●
皆さんはどちらを好みますか?
瞑想の最初は、難しいものではありません。
未体験の方はぜひ一度試していただきたいし、体験者はより理解を深めて、満足のいく瞑想ができれば、瞑想を紹介する者としては、とても嬉しいです。
続く。
------
※ アスリート・レーサー・格闘家、ビジネスでも上を目指す人など、ゾーンに入る瞑想をご希望の方はご指導いたします。
さわりだけでも…という方から、プロのトップアスリートまで歓迎!
※ 神秘体験系の瞑想も、ご希望があれば指導いたします。
info【アットマーク】ishiki-meisou.com
― 書籍 ―
佐田弘幸の本 【幸せになれるマイナス思考】 総合法令出版
プラス思考を学んでも、何となくうまくいかない。
そんな人にお届けしたい内容です。
― MENU ―
★カウンセリング / ★ 瞑想 大阪クラス / ★ 瞑想 Web講座
カウンセラー養成講座 / 書籍
商品 → 瞑想CD、瞑想マシン・ボイジャーエクセル等