本日(六月六日)の産経抄は、
南極観測に加わること七回、
うち越冬隊長を三回務めた
元南極観測隊長の村山雅美氏が
「追い詰められたときの多数決は、
大変危険です。
弱気になった集団の多数意見は、
往々にして誤る」
と書いていることを紹介している。
これを読んで、私も、
明治にスエズ運河を往復する船に幹部として乗っていた方々の
非常に荒れた海を乗り切る時には、
どういう船長を選ぶべきかの申し送りを思い出した。
それは、
十人中、
八人~十人が一致して支持する者を船長にしてはならない。
十人中、
支持するのは四名か五名で、
他の六名から五名が支持しなかった者を
船長にすべきだという教えだ。
即ち、
総てのメンバーに好感をもたれている者は、
荒海(危機)においてリーダーたり得ない。
半数から反発され半数から評価されている者が
荒海を乗り切る船長となる。
つまり、
大衆の大喝采を受けて得意絶頂の者が
危機を乗り切るリーダーたり得ると思ってはならない。
そこで、思い起こす例が二つある。
その一、
明治三十七、八年の日露戦争において、
乃木希典司令官率いる第三軍が攻める旅順の要塞が、
如何に強襲を繰り返しても陥落しなかった時に、
我が大本営内にも朝野にも
「乃木更迭」の声が澎湃として起こった。
つまり、
多数決で決めれば乃木は更迭される事態となった。
旅順が陥落しなければ、
満州の二十五万の日本軍は崩壊し、日本は滅亡する。
この国家の存亡がかかった事態において、
頑として、更迭論を排して
乃木に任せる方針を堅持されたのは
明治天皇と満州軍総司令官元帥大山巌大将の二人だった。
この時、もし多数の意見が通っておれば、
昭和の御代はなく、
我々は、日本人として生まれなかった。
その二、
総理大臣の小泉純一郎という御仁は、
自民党をぶっ潰すと脅し、
郵政民営化と構造改革を叫んで拍手喝采を受け、
総選挙において
郵政民営化とは構造改革だ、
構造改革とは郵政民営化だ
という内容のない空虚な循環論を唱えて
国民を煽って支持を集め、
「刺客」を放って郵政民営化反対論者を落選させ、
選挙で有利なところに集まるアメンボーのような
小泉チルドレンという有象無象を当選させて、
郵政民営化を実現した。
そして、
元南極観測隊長の言う
「弱気になった集団の多数意見は、往々にして誤る」
が、いままさに現実となっている。
悪い現状を変えればバラ色になると
煽られ騙された大衆の多数意見が国を誤ったのだ。
それを煽った者は、
戦犯裁判の被告になるべきだ。
今、
小泉改革即ち郵政民営化が何をもたらしたのか、
小泉純一郎とは何だったのか、
小泉チルドレンとはどういう連中か、
を点検しなければ、
将来、同じことが繰り返される。
そして、
まさに現在、
東京オリンピック開催が迫る。
菅総理、荒海の中、
小泉のように拍手喝采を求めず、
地味に愚直に頑張れ。
世界の女性兵士👩🏻🦰👩🏻🦰👩🏻🦰
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