皇室ウイークリー(399) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

 

「交流するやきもの 九谷焼の系譜と展開」の展示をご覧になる天皇、皇后両陛下=8月31日、東京都千代田区の東京ステーションギャラリー

 長野県と群馬県で静養していた天皇、皇后両陛下は8月29日に帰京された。後半の群馬県草津町では、陛下は散策による植物観察、皇后さまはワークショップでのピアノの練習などに時間を割かれたといい、側近は「ゆっくりと楽しんでいただけたのではないか」としている。

 この静養では、恒例となっているテニスは皇后さまのご体調などにも配慮して、両陛下とも控えられたという。

 8月31日には、JR東京駅構内の東京ステーションギャラリー(東京都千代田区)で、北陸新幹線開業記念の展示会「交流するやきもの 九谷焼の系譜と展開」を観覧された。側近によると、両陛下は伝統芸能の継承に心を寄せており、5月に石川県を訪問した際も職人を養成する県立九谷焼技術研修所に足を運ばれている。

 展示会では、江戸前期の古九谷から「ジャパンクタニ」として欧米で高く評価される近現代の九谷焼までを代表的な窯元の作品とともに紹介。天皇陛下は江戸後期の「百合図平鉢」の前で足を止め、「クロユリかしらね」などと尋ねられていた。

 那須御用邸(栃木県那須町)で静養していた皇太子ご夫妻と長女の敬宮(としのみや)愛子さまは9月3日、帰京された。小町恭士東宮大夫によると、8月24日からの滞在中、那須ステンドグラス美術館と那須どうぶつ王国をご訪問。美術館でパイプオルガンの演奏を聴いたほか、どうぶつ王国では、動物への餌やりやドッグショーなどをご覧になった。

 

 秋篠宮妃紀子さまと次女の佳子さまは8月29日、東京都千代田区のホールで開かれた「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」にご臨席。開会式では、紀子さまが手話を交えて「これまで出場された方々が、卒業後もさまざまな分野で手話を生かし、聴覚障害者の生活を支えていることは誠に喜ばしいことです」とあいさつされた。

 紀子さまは大学時代から手話に取り組まれ、佳子さまも昨年から手話関連のイベントにたびたび同行し、理解を深められている。昨年のコンテストには、英国留学直前の眞子さまがお一人で臨席し、あいさつされている。

 紀子さまと佳子さまはホール中央の席に座り、全国から選ばれた10人の高校生が「夢をかなえるために」「『思いやり』で築く関係」などのテーマで発表するのに、熱心に耳を傾け、一人一人に拍手を送られていた。

 

 

「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に臨席された秋篠宮妃紀子殿下、佳子内親王殿下=8月29日、東京都千代田区の有楽町朝日ホール

 日本障害者リハビリテーション協会総裁の常陸宮さまは9月1日、常陸宮妃華子さまとともに東京都新宿区の京王プラザホテルを訪れ、障害者福祉の向上を目指す国際会議「アジア太平洋CBR会議」の開会式に臨まれた。

 常陸宮さまは7月31日に発熱で入院した後に肺炎と診断され、8月11日に退院してから初めての公務となり、終始車いすに乗っていたものの、お元気な姿を見せられた。会場に入る際、参加者から拍手で迎えられると、手首を回して手のひらと甲を交互に見せる、手話で「拍手」を表すしぐさで応じられた。

 開会式のあいさつでは「地域に広まった障害者支援活動を学び合うとともに、国の内外の関係者が協力することにより、障害者の福祉向上が図られていくことを期待しております」と述べられた。

 
 関東大震災の発生から92年を迎えた9月1日、約5万8千人分の犠牲者の遺骨が納められている東京都慰霊堂(墨田区)で大法要が営まれ、皇族方を代表して高円宮妃久子さまが参列された。法要の後、震災発生時刻の午前11時58分に合わせて鎮魂の鐘が鳴らされ、遺族らが黙祷(もくとう)した。

産経ニュース